「運をコントロールする」セレンディピティの法則 「幸運は降ってくる」と思う人が兆しを逃す理由

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組織や、人脈、物理的空間を見なおすことによって、セレンディピティが生まれやすい状況を生み出すこともできるようだ。

能動的に動くことでセレンディピティを呼び込む

セレンディピティ・マインドセットと適切な状況とを組み合わせることによって、「セレンディピティ・フィールド」は豊かになるというのだ。

セレンディピティフィールドの図
『運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること』19ページより

セレンディピティのプロセスと、セレンディピティ・フィールドの生まれる様子を示すと、上の図のようになる。

ちなみに、これはあくまで単純化したものであり、トリガーの発生と点と点の連結は通常同時に起こるという。

また図には示されていないが、初期の結果がその後のセレンディピティの発生頻度を左右する「フィードバック・ループ」もあるようだ。

ともあれこれを見る限り、セレンディピティは私たちが能動的に引き起こしたものであることがわかる。トリガーが発生し、それが粘り強さを経てセレンディピティの発見につながるのだから。

 「それをセレンディピティといえるのか?」と疑問に感じる方もいらっしゃるだろうが、著者によればその答えは“間違いなくイエス”だという。

なぜなら、それこそがセレンディピティと単なる偶然との明確な違いだからだ。

セレンディピティを育むというのは要するに、世界をオープンな目で見て、点と点をつなごうとすることだ。たまたまいいタイミングで良い場所に居合わせたら、何かいいことが降ってくるというのではない。
――19〜20ページより

つまり重要なのは、私たちの心構えであり、セレンディピティが発見されるまでのプロセスに積極的に関与することだ

それが「単なる偶然」との決定的な違いなのである。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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