2025年「注目の鉄道新路線」延伸や計画の行方は? 万博地下鉄と路面電車、新幹線計画はどうなる

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では、全国各地の新線計画で2025年(年度)に動きがありそうなのはどこか。

動かないことがほぼ確実となったのは、北陸新幹線の敦賀―新大阪間延伸だ。同区間は福井県小浜市を経て京都市へと南下し新大阪に至る計画。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームは2024年中に京都市内のルート3案を1案に絞り込む予定だったが、決定を見送ったことで2025年度中の着工は困難となった。

北陸新幹線 敦賀延伸
2024年に金沢―敦賀間が開業した北陸新幹線。敦賀―新大阪間の2025年度延伸着工は困難に(記者撮影)

新幹線の整備をめぐっては、ほかにも北海道新幹線の新函館北斗―札幌間が2030年度の開業予定を断念、リニア中央新幹線も開業時期が見えない状態が続く。そんな中、2024年末に宮崎県が調査結果を発表したのが「東九州新幹線」だ。

同新幹線は、福岡市から大分市・宮崎市付近を経て鹿児島市に至る路線として、1973年に新幹線の「基本計画路線」の1つとなっている。宮崎県が発表したのは、小倉から大分・宮崎を経て鹿児島中央に至る「日豊本線ルート」のほか、宮崎―鹿児島中央間を先行整備するルート、宮崎と九州新幹線の新八代を結ぶルートの3つだ。

基本計画路線はこのほかにも山陰や四国など計11路線あり、各地で整備計画への「格上げ」を目指す動きがある。すでに整備に着手している新幹線延伸が難航する中、今後の展開ははたしてどうなるか。

計画が進展するのはどの路線?

開業には至らなくても、手続き的な面で前進する路線はある。2023年8月に開業した芳賀・宇都宮ライトレール(ライトライン)は、宇都宮駅東側を走る現在の路線を市の中心部である駅西側に延伸する計画で、軌道の敷設などを行うために必要な国への特許申請を2025年度中に行う予定だ。

宇都宮ライトレール
宇都宮東口を走る宇都宮ライトレール。2025年度中に宇都宮駅西側の軌道事業特許を申請する予定だ(記者撮影)

地方三セク路線としては「快挙」といえるひたちなか海浜鉄道(茨城県)の延伸に向けた動きも進みそうだ。2024年11月に1.4kmの区間について工事施行認可を取得し、2025年度は用地測量や詳細設計を行うとしている。

ひたちなか海浜鉄道
路線延伸計画が進むひたちなか海浜鉄道のディーゼルカー(記者撮影)

東京圏では、東急・JR蒲田駅と京急蒲田駅を結んで羽田空港へのアクセスルートを構成する「新空港線」(蒲蒲線)が一歩前進しそうだ。国土交通省は2025年度予算案で、同線に関する費用を初めて計上。事業化へ向け調査・設計が進むことになりそうだ。

各地に存在する新線計画、2025年はこのほかにどんな動きが出てくるだろうか。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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