2025年「注目の鉄道新路線」延伸や計画の行方は? 万博地下鉄と路面電車、新幹線計画はどうなる
五輪の招致が実現しなかったため地下鉄部分の工事は途中で打ち切られ、2009年に道路トンネルのみ開通。だが、地下鉄部分も躯体は構築済みだったため、万博の開催決定を受けて2020年には地下鉄の延伸計画が再始動した。そこから夢洲駅や同島内のトンネル建設を進め、万博開幕約3カ月前の開業にこぎつけた。
大阪メトロ中央線は万博会場に乗り入れる唯一の鉄道路線で、会期中のピーク時には最大で1日12万9000人の利用が見込まれる。大勢の来場者をさばくため、夢洲駅のコンコースは幅約17m、2つある改札のうち万博会場の東ゲートに通じる側には計16台の自動改札機が並ぶ。コンコースや改札では大型のデジタルサイネージが利用者を迎える。
ただ、万博の会期は10月まで。夢洲にはIR(統合型リゾート)が開業する予定だが、万博終了後しばらくは「多くの利用者でにぎわう」状態からは遠ざかりそうだ。
今回の中央線夢洲延伸は大阪メトロとして初の新路線開業となるが、地下鉄ネットワークという観点では2024年3月に御堂筋線と直通する北大阪急行電鉄の千里中央―箕面萱野間が延伸開業しており、2年連続で路線網が広がったともいえる。
路面電車が駅ビル2階に乗り入れ
もう1つの新線は広島電鉄の「駅前大橋ルート」だ。同社や広島市、JR西日本が進める広島駅南口の再整備に伴う新線で、新たに開業するJR広島駅ビルの2階に広島電鉄の路面電車が乗り入れる。
近年、路面電車は各地で注目を集めており、2020年には富山駅の南北を走る路面電車の接続が完成、2023年には全国で初めて全線を新設したLRT(次世代型路面電車)として芳賀・宇都宮ライトレール(ライトライン)が開業した。広島電鉄の駅ビル乗り入れは、路面電車の復権と新時代をさらに感じさせる出来事となりそうだ。
新たに開業する区間は高架で駅ビルの2階に直結し、ビルの中央アトリウム空間に乗り場が設けられる。駅ビルは地上20階・地下1階で高さ約100m。6階までが商業施設、上層部はホテルが入居し、3月24日に開業予定。路面電車の乗り入れも当初は同時期の予定だったが、工事の遅れで夏ごろとなる見込みだ。
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