「1億総推し活時代」ブームで増える"不安と悩み" 独自調査で判明した「10~70代」のリアルな本音

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「推すことに必死になり過ぎたり依存しすぎたりして回りが見えなくなる人がおり、友人関係を断ちたくなることがある」(自身が推し活をしている50代女性)

インターネットやゲーム、ギャンブルなどへの依存症に詳しい精神科医の西村光太郎氏は「推し活にのめり込んでしまい、多額のお金を払ってしまうのはある種の人間関係依存症だ」と話す。

「社会生活を維持していく上で問題のない範囲なら個人の自由だが、一線を越えてしまうと歯止めがきかない。アルコールやギャンブルへの依存症と構造は同じ」と西村医師は警鐘を鳴らす。

国は前のめり

推し活ブームは、まだまだ続きそうだ。コンテンツ産業の育成に向けて、政府も鼻息が荒い。

推し活の対象は、ゲーム、音楽、アニメ、映画など幅広い。政府は2024年6月に「新たなクールジャパン戦略」を策定。9月にはコンテンツ産業官民協議会が立ち上がり、11月には業界関係者を集めた「エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会」が経済産業省に設置された。

経済産業省の試算によれば、周辺ビジネスまで含めたエンタメ産業の規模は100兆円規模という。

経済産業省の佐伯徳彦・文化創造産業課長は「韓国や中国のエンタメ産業が積極的に海外に進出して成長している一方で、これまで日本のエンタメ産業は、海外売上高は大きく伸びているものの、海外拠点を持っておらず、国内市場が成長の中心であった」と指摘する。

その上で、「アニメやゲームはもちろん、音楽や映画など日本のさまざまなコンテンツを北米や中国、アジアなどの成長市場でもっと積極的に展開する必要がある。政府として必要な支援をしていきたい」と話した。

今後はエンタメ産業全体の規模拡大に向け、主に海外展開の加速などに焦点を当てたアクションプランを2025年春頃メドに決定する予定で、急ピッチの議論が進んでいる。

連載「沸騰!“推し活”経済圏」では、推し活ビジネスにチャンスを見いだした企業、新たな推し活消費、過熱する推し活に翻弄される消費者の実態など、推し活の最前線を追いかけていく。

この連載の初回です
梅垣 勇人 東洋経済 記者

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うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

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