佐山展生氏はスカイマークをどう変える? 「再上場の条件は"面白い会社"になること」

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再生開始の決定が出た2月5日に記者会見を開いたところ、「90億円は2~3カ月でなくなると皆言ってますよ」という声があった。(誤解を解くために)長年出ていなかったテレビにも出て説明した。結局は、開始決定の翌週に半分の45億円を投入しただけで、それ以降は1銭も追加していない。

6月の年次総会では、われわれの投資家からも異議はまったくなかった。いろいろ言ったのは外野だけ。これまでの報道は半分が正解で半分が間違いだった。

再上場の目標は3年後

佐山展生(さやま・のぶお)●1976年京都大学卒業。帝人、三井銀行(現三井住友銀行)を経てユニゾン・キャピタル、GCA(現GCAサヴィアン)を共同設立。2008年からインテグラル代表。一橋大学大学院教授

――波乱のスタートだったが、今後のゴールの1つは再上場となる。

契約上は5年以内を目指すとしている。しかし、5年だと何が起こるかわからないので、目標は3年にしようとANAと話している。

昔、GCAサヴィアンを上場させてわかったのは、市場で(株を)買ってもらえないとダメ、ということ。そうでないと(主幹事)証券会社がつかず、売ることができない。

会社としてきっちりしているのは当たり前で、市場から見て“面白い会社”になったときが再上場のメド。そのためのアイデアはいろいろあるが、それは次の段階の話だ。

まずは、今ある27機のB737を、今の路線にきっちり飛ばして収益を上げていく。新しい経営陣がうまく回る体制を作ることに100%集中したい。それができて初めて、右肩上がりのビジョンが描ける。それを今話すと足元がぐらつくので、できるだけしない。

――初めの1年はかなり関与するとのことだが、その後はどうするのか。

1年後に私がガタガタ言うことがプラスにはならないくらい、つまり、事業がうまく回っていれば、口を出す必要はなくなる。市江さんが頑張っているところに横やり入れても、マイナスになるだけ。

――1年後に“ガタガタ言わない”ようになるためのポイントは?

1つは、社長がいい仕事をして、社員からも信頼され、会社がいい方向に向かうこと。もう1つは、ANAとの利益相反の懸念がないと確認できること。ANAからは「独立性を維持するようサポートする」と言ってもらっているので、全幅の信頼をしている。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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