佐山展生氏はスカイマークをどう変える? 「再上場の条件は"面白い会社"になること」

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――機体の整備面でもANAから支援を受けている。

6月頃から数人の整備士に手伝ってもらっている。今回、ANA出身の取締役が2人就く。長年整備をやってきた人たちなので、サポートを受けながら体制を強化したい。

10月1日からは整備部門と営業部門に10人ほど、ANAから出向者がやってくる。営業面では、ネット予約のシステムを使いやすくしたり、これまでなかった販路を開拓するなど、ANAが長年にわたって培ってきたノウハウを学んでいく。

業界を知っている人が働きやすくする

初めの1年間は積極的に関与する意向(撮影:今井康一)

――会長として、スカイマークの経営にどのようにかかわるのか。

初めの半年から1年の間は、かなり深く関与していきたい。インテグラルとしてこれまで12社に投資してきたが、これだけの関与は私自身、初めてだ。通常、投資先の業務については専門でないので、取締役会以外は当社の担当者と対象会社の社長に任せている。

一方、今回の株主構成はインテグラルが50.1%、ANAと同社が指名した銀行で49.9%となる。(スカイマークの)競争相手であるANAと一緒に取り組む話なので、うまく回り出すまでは関与が必要になる。利益相反になりそうな部分だけはきちんと確認しながら、いい方策を進めたい。

具体的には、月1回の取締役会だけではなく、その他の重要な会議には当然出席するし、前面に立つ市江次期社長を全面的にサポートしていく。再生の仕事は社長1人だけでは荷が重い。社長と一緒に全国の支店や取引先、官公庁を訪ね、社内外にいろいろな情報発信をしていきたい。われわれファンドの仕事は、投資先の業界をよく知っている人が働きやすい仕組みを作ることだ。

――他方でファンドは、最終的に投資先の株式を売却(エグジット)することで利益を得るのがビジネスモデルだ。

出資する90億円が戻ってこない、ということはありえない。ただ、何%の収益が出そうだから、あるいは、何倍にもなってリターンがありそうだから出資する、というものではない。やってみないとわからない話。振れ幅はかなり大きい。

社会的な意義もある。スカイマークはインフラであり、利用者もたくさんいる。ANAとJALという大手2社が寡占している業界で唯一、独立系を維持して頑張ってきた会社だ。そういう意義を感じたからこそ、手を挙げた。これくらいの利益が出るからやろう、という話はしていない。

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