「這い上がらない哲学」で準優勝した"驚く芸人道" 流されて生きて「受け身の姿勢」で成功を掴む
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」って、野村(克也)監督が使ったことで広まった言葉ですけど、売れたら全部、解決になっちゃいますよね、芸人は。そこは残酷だし、シビアだなっていつも思います。
2023年の『THE SECOND』は、15年前のネタで戦っているんですよ。なんで勝てたのか、マジで分からないです。状況だとか、空気感だとか、スロットみたいにピシッとハマる時が、何かの拍子であるのかもしれない。
サボっている人の言い訳みたいですが、大概のことって、自分ではどうすることもできなかったりするし、同じことをしたって、結果はその時々で全く変わってくるわけで。
みんな待つところを間違えている
ただ、我々は長い間、自分たちの番が来るのを「待っていた」わけですが、どこで待つかだけは大事かもしれないです。みなさんも、職場でもし待つのであれば、待つ場所を考えたほうがいい。
我々は「芸人」っていうギャンブル性の高いところにいるわけですが、バカなんじゃないかっていうくらい、みんな間違っていますからね。誰も気付きようのない林の中で待っている芸人がたくさんいますから。それで、周りからみんな言うの。「いや、そこ人来ないよ」って。でも本人は「大丈夫」って言うんです。奇をてらって木に登っているヤツもいたりして。
真っすぐ正統派でやっている人は、当たり前だけど、やっぱり道路で待ってますよ。車道の近くで。『M-1』なんかは、「こっちです」って矢印が書いてあるし。だから、いる場所は考えたほうがいい。
ところが、深い穴に30年間いた錦鯉の長谷川(雅紀)さんが、ある日突然引っ張り出されたじゃないですか。そんな奇跡もあったりして、みんな「なくはないぞ」って思っている。ヤバイですよ。
かく言う僕らも、今は地上に出られたから「間違っていなかったね」となっただけだと思います。基本、40歳超えて売れていない芸人は、確実におかしなところにいたはずです。
『THE SECOND』っていう新しいバス停が出来たわけだけど、衝撃としては「リニアが通った」くらいの感じ。突然駅が出来て、乗っていいっていうから乗ったら、走り出した。「怪しいよ、様子を見よう」ってスルーしていたら、2回目は来なかったかもしれない。
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