「這い上がらない哲学」で準優勝した"驚く芸人道" 流されて生きて「受け身の姿勢」で成功を掴む

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我々芸人は、お金がなくても好きだから芸人生活を送ってこられたけど、普通に働いている人たちはたぶん違いますよね。芸人は最初から荷物をほとんど持っていなくて、失うものがなさすぎる。ちっちゃなポーチくらいなんです。

みなさんはいっぱいあるじゃないですか。職歴だとか、社会的立場だとか、交友関係だとか。現状に不満があったとしても、それはやっぱり、なかなか手放しにくいですよね。

『DIE WITH ZERO』という、お金の貯め方じゃなくて、使い切り方を指南した本がベストセラーになっているみたいですが、芸人は“ゼロで死ぬ”以前に、その前からゼロだったりしますからね(笑)。俺なんかは本当にそうでした。

これまでは、売れない芸人はお笑い界からいなくなっていたんです。続かない。みんな辞めちゃってた。だから、お笑いライブに無名の40歳以上が出ていること自体がなかったですし、売れていない50歳とかいなかったんですよ。こういう“居方”ができるのも、ちょっと世論が緩くなったというか。「ダブルワーク」みたいな都合のいい言葉も出てきたりして。

崖っぷちの人生、ずっとそこにいたから怖くない

みなさんは、「そんな人生怖くないのかな」ってたぶん思いますよね。やっぱり、1度でも安全なところに身を置くと、上のほうから崖っぷちを見たら「怖そうだな」と思うじゃないですか。

もう諦めた でも辞めない
『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

でも、俺たちはずっとそこに立っていたんで。みんな結構大丈夫だったりもするんです。そんな簡単には死にません。きれいに舗装されてる道とか見ると、「貢献していないのに申し訳ございません」という気持ちにはなったりしましたけど(笑)。

会社勤めの方も、30代、40代になると、出世できるかどうかが自分でも分かったりするじゃないですか。出世を目指すのか、我慢はほどほどに好きに行くのか。移住して暮らし方を重視する人も増えていて、お金的には下がってでも、地位とか名誉より自分の感情を優先させるっていうのも、最近の傾向じゃないですか。

俺はメインストリームから外れてきたから、MCをやりたいとか、あまりないんです。自分たちが1番自信のあった時にスポットライトが当たらなかったから、どこかで達観しちゃったのかもしれませんが、ノリはちょっと似てますよね。それでいうと、我々はいち早く、自分らしい生き方をしているのかもしれないです(笑)。

西堀 亮 お笑い芸人

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にしほり りょう / Ryo Nishihori

1974年10月4日生まれ、北海道出身。A型。滝沢秀一と共にお笑いコンビ・マシンガンズを結成。バラエティ番組などで活躍するほか、2007年、2008年に『M-1グランプリ』準決勝進出、2012年、2014年には『THE MANZAI』認定漫才師となる。ソロでは俳優として『世界一難しい恋』(2016年)、『母になる』(2017年)、『コタツがない家』(2023年)などドラマに多数出演する。2020年に応募した発明学会主催の「第24回身近なヒント発明展」で優良賞を受賞。2023年に「静音 靴丸洗い洗濯ネット」として商品化された。著書に『芸人という病』(双葉社)。

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