「記憶力は才能」と思っている人に欠けた視点 東大卒の記憶力日本チャンピオンが教える実態

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自分の生死にかかわるような衝撃的な体験などは、たった一度の経験で、トラウマとして長期間「記憶」に残ったり、何かをきっかけに鮮明によみがえったりします。

しかし、学校の小テストで出題される英単語は衝撃的な体験ではないため、なかなか記憶に定着しないのです。つまり、人間が1回で覚えるということは、ほぼ不可能だということです。

だから脳が記憶できるよう、「反復」や「復習」を行うのです。何度も繰り返して、脳に「これは大切なことだ」と無意識的に判断させると、だんだん忘れにくくなり、長期的に覚えていられるようになります。

メモリースポーツの世界大会で優勝するような「世界一記憶力が良い人」でも、大会で記憶した内容を意識的に復習しなければ、1週間後には大半を忘れてしまいます。1カ月後には思い出すことすらできません。

メモリースポーツのチャンピオンですら、復習をせずに記憶を長い間維持することは不可能なので、世の中のほとんどの人ができるわけがないのです。忘れるということは、「人間の防衛本能として『忘れる』ことで、自分を守ってくれているんだ」と思って、自分の記憶力に対して持っているネガティブな感情を一つ捨てることができたと思ってください。

脳トレは筋トレに似ている!?

みなさんも、一度は「筋力トレーニング」(筋トレ)をやったことがあるのではないでしょうか? 筋トレをやると翌日は全身が痛みに襲われて、ひどい倦怠感に悩まされると思います。それでも筋トレを継続していると食事にも気をつけるようになり、しばらくすると体に大きな変化が出てきます。もちろん運動時のパワーやスピードも上がるでしょう。サッカーや野球などの球技や、水泳、短距離走などにも効果があることは言うまでもありませんね。

「脳トレ」も同様です。脳トレをすると、記憶力や計算力などが高まります。脳トレはたくさんの種類がありますが、記憶力を高めたい人は、しりとりなどの自分の知っている知識を思い出す系の問題や、その場で何かを記憶してすぐに思い出すような単語記憶の問題をやるとよいでしょう。

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