「記憶力は才能」と思っている人に欠けた視点 東大卒の記憶力日本チャンピオンが教える実態

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(画像:『東大式 記憶力超大全』より)

それでは記憶力はどうでしょうか? 記憶力の遺伝要素は6割程度。割合で見ると、外国語や勤勉性などと近いですね。アメリカやオーストラリアなどに行けば、ネイティブは当然英語を話せます。日本人で日本に住んでいれば、ほとんどの人が日本語を問題なく使いこなせるでしょう。語学は普段過ごしている環境や努力要素が大きいように思えます。

勤勉性も、日常の中で「僕は才能がないから真面目ではないんだ」という話はあまり聞いたことがありません。家庭や学校、交友関係などの生活環境によるものが大きいと考えられます。

つまり、記憶力もこれらと同程度しか遺伝要素はないのです。遺伝要素や才能要素が全く関係ないとはいいませんが、このように考えると少しはやってみようと思えませんか?

忘れることは悪いことではない

記憶力を上げる第一歩として最も重要かつ理解しておいてほしいことが、この見出しでもある「忘れることは悪いことではない」ということです。 忘れることは、人間を含む多くの動物に備わる「仕組み」なのです。

想像してみてください。もしすべてのことを忘れることができなかったら、どうなるでしょうか? 友達とけんかしてとても腹が立ったこと、大切な人が亡くなって悲しかったことなど、生きていれば大きいものから小さいものまでたくさんの感情が溢れています。

もしその出来事やその瞬間に感じた気持ちが、毎日蓄積されるとしたら?間違いなく、自分の体があらゆる感情に支配されて、今この瞬間に生きることが苦しくなってしまいます。実際に人間の脳は、あらゆる出来事や経験を無意識に「必要なもの」と「不必要なもの」に選別しています。

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