米FOMC後の日経平均の高値と安値は? 日本株はテクニカル面で見るとどうなるか

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ちなみに干支の相場格言からみると2015年は「未辛抱」、戦後の未年の騰落率は平均+7.6%である。これを2014年末の値(1万7450円)に当てはめると1万8776円となる。やや気が早いが、この戦後の騰落率を当てはめれば、2016年(申)は+10.4%、2017年(酉)は+15.0%が期待できる。相場格言でいう「申酉騒ぐ」と、明るいデータもうかがえるわけだ。

また、平成以降における日経平均株価の上昇年の上昇率を調べてみると、平均+19.9%である。これを2014年末値(同)に当てはめると2万0922円。2015年6月高値(2万0868円)は年初来+19.6%に達しており、やはり年前半における日本株の上昇ピッチが速かったといえる。

日経平均の当面の高値は1万9100円台か

さて、日本時間の18日未明に米FOMCの結果が公表され、18日の日本株はこの結果次第では大きく上下に振れることも予想される。

ただ、そのあととなると、国内ではシルバーウィーク(19日~23日)、中国でも国慶節(10月1日~7日)による大型連休による休場が続く。仮に米株市場の乱高下が続く場合でも、アジア市場への影響が限定的にとどまる可能性もある。

また国慶節以外で10月以降の重要イベントを改めてあげると、1日に日銀短観(9月調査)、10月22日に欧州中央銀行(ECB)理事会、10月30日に日銀展望リポートなどを控えている。日欧での追加緩和期待が株価を下支えすることは十分考えられる。

足元の日経平均株価は、アベノミクス相場の底値ゾーンと意識されている200日線マイナス6%水準(約1万7950円)とさほど変わらない位置におり、需給面ではここからの下値は限定的ともいえる。

季節性からみると秋の底入れとクリスマスラリーによる年末高を想定することも可能だ。日経平均の当面の下値メドは6月ザラバ高値と7月ザラバ安値(2万0952円→1万9115円)の倍返しや昨年末値のある1万7278~1万7450円になりそうだ。

一方、今後9月末にかけて個人投資家による配当権利取りの動きや、機関投資家や投資信託等のドレッシング(お化粧)買いによる押し上げも期待される。当面の上値メドは8月戻り高値や15年3月「月中平均」のある1万9136~1万9197円あたりが意識されそうだ。

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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