受験生の親の「合格祈願」本当はやめてほしい理由 「不合格=失敗」という考えがもたらす悪影響

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でも、僕はその考え方がよくないのではないかと思っています。これは親御さんが「不合格」=「失敗」と捉えている証拠です。

「不合格になってほしくない」というのは、「挑戦してほしくない」という意味になってしまうことがあります。レベルの高い大学を目指していれば、当然のことながら不合格になる確率は高くなりますよね。

上のランクの大学を目指すことは「失敗」か

逆に、自分の偏差値に合った大学を目指し、そこそこの勉強をしていれば合格できる可能性が高いような「行ける大学」を目指している受験生であれば、不合格になる確率は低くなるでしょう。

しかし「不合格になるかもしれないけれど、それでも自分の現状よりも上の大学を目指して頑張って勉強する」という行為は、はたして「失敗」でしょうか? 違いますよね。たとえその結果として報われなかったとしても、絶対に「失敗」にはなりません。その不合格には絶対に大きな意味があるはずですし、その分、人間的に成長することができるはずです。

それよりも「不合格になりたくないから、自分の現状でも行けるような、背伸びしない大学を目指して、そこまで無理せず勉強せずに受験を終えようとする」ことのほうが、よほど「失敗」なのではないかと思います。

合格よりも、不合格のほうが意味を持つことだってあるのです。ですから親御さんには、合格・不合格にあまりこだわらないでいただきたいと思います。神様に祈るのなら、短期的な合格・不合格という成功と失敗よりも、「受験を通して、自分の子どもがしっかりと成長できますように」と祈っていただきたいです。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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