O2Oビジネスの原動力、ソーシャルメディアによる消費社会の再構築《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第3回》

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リアリティのある共感は、ソーシャルメディア上の他の友人・知人へと自動的に伝わる。さらに、伝わった先の友人・知人が、共感をしてあげると、その先の友人・知人へと次々に自動的に伝わっていく。感動の波紋が広がっていく。従来のメール、ブログではありえないスピードと伝達範囲で、書き込みは拡散していく。

スマートフォンとの組み合わせにより、こうしたやり取りが非常に簡単に面倒なく行うことができるのも、従来のメール、ブログにはない特徴だ。情報や現在位置の書き込み・受け取り、共有、さらに共感して広めるといったやり取りが、ちょっとした時間の合間を利用して手軽に簡単に行える。その結果、情報を発信する人、拡散する人が格段に増加した。

ソーシャルメディア上でのつながりは、実際のリアル社会での友人・知人のみとは限らない。趣味を通じて知り合った、ネット上での友人や自分が信頼している著名人も含まれる。プラットフォームに適したつながりが存在する。

コミュニケーション・デザイナーで消費行動モデル「SIPS」(第2回参照)の提唱者である佐藤尚之氏は、著書『明日のコミュニケーション』(アスキー新書)の中で、ソーシャルメディアで変わる企業と消費者の新しい関係を「コミュニケーションは、『口説く』から『愛される』へ」と表現している。
 
 従来の企業やマスメディアによる一方的な宣伝・広告は通用しなくなる。広告が商品のよさを声高にアピールしても、実際は、ネット上の口コミサイトやソーシャルメディアで比較・評価される。
 
 情報過多の時代において、消費者が耳を傾け、行動を起こす拠り所になるのは、信頼している友人の情報やひいきにしている企業からの情報になる。

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