職場の「マタハラ」はまだまだ深刻な問題だ 今後は非正規社員の育休取得も焦点に

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「非正規が、産休育休を取らせないための雇用形態に使われているのも問題」と語る連合非正規労働センター総合局長の村上陽子氏

非正規社員も育休の期間中に育児休業給付金がもらえる権利を持つが、この育休取得の条件をクリアすることが前提となっている。この条件については、「不公平で、有期契約でも育休を取れるように条件を緩めるべき」「現実的な条件ではない」といった声が多数を占めた。正社員か非正規社員かにかかわらず同じような回答となっており、立場の違いにかかわらず同じような意識を持っていることがわかった。

総務省の就業構造基本統計調査によると、初職に非正規の職員・従業員として初職に就いた割合が、全体では4割で女性は約5割を占めている(2007年10月~2012年9月)。村上氏は「最初から非正規の職に就くと正社員転換が難しいのが現実。また、パート・アルバイトといっても家計補助ではなく家計収入を支えているケースも多い。働き続けないといけない人が増えているのだから、就業継続ができるように社会で支えていくべき」と話す。

預け先がないために3割の女性が退職

また、保育園や学童保育など、子どもを預ける環境が仕事選びやキャリア形成に影響したかという問いに対して、非常に影響があると答えたのが38.5%、ある程度影響があると答えたのは45.1%に上った。影響があったと回答した人の3割強が仕事を辞めざるをえなかったと答えており、託児施設の増設・増員を多くの女性が切望しているのはいうまでもない。

また、入園審査にあたって労働時間や勤務日数などを背景にパートでは入園に不利になりやすい状況について、「フルタイムでの勤務でなくても、入園に不利にならないようにしたほうが望ましい」との回答が70%で、「入園審査の点数に差がつくのは仕方がない」(20.3%)を大きく上回った。

連合は、9月17日(木)10~20時に「マタハラに負けない!! 産休・育休なんでも労働相談」と題して電話相談(0120-3919-25)を受け付ける。育児・介護休業法の改正が予定されているいま、集まった声を取り込みながら、非正規社員の育休取得要件を緩和することで多くの女性が育休を取得できるよう、社会に働きかけていく考えだ。

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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