戒厳令で露呈した「韓国社会が抱える圧倒的な闇」 結局何が突然の戒厳令を招いてしまったのか

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尹氏が所属する与党「国民の力」は、2024年4月に行われた国会議員選挙を議席奪還のチャンスと考えていた。

しかし、それどころか、危機とスキャンダルが続出した。2022年のハロウィンは致命的な大惨事となり、北朝鮮は威嚇を強めた。医師たちは過酷な労働条件と低賃金の医療制度を訴え、ストライキを起こした。尹氏の妻と2200ドルのクリスチャン・ディオールのポーチにまつわる汚職疑惑は尹氏の党を動揺させ、ある幹部は尹氏の妻をマリー・アントワネットになぞらえた。

深刻化する右派と左派の分断

対立する政治活動家たちがSNS上で組織した抗議デモは一般的になり、右派は教会に通う人々やその他の高齢者、左派は主に若年層という大まかな分断が見られた。

選挙は悪質な逆襲に発展し、左翼の抗議者たちは、尹氏の反フェミニズム政策や、尹氏が 「フェイクニュース 」を流していると非難した報道機関への攻撃について、同氏を「国賊 」呼ばわりした。彼らはまた、梨泰院における群集事故や、かつて韓国を植民地支配していた日本との関係改善の努力についても批判した。

野党指導者たちは、尹氏が韓国を「独裁」の道へと導いていると警告した。それに対し、尹氏の党員は野党を「犯罪者」と呼び、右派の有権者は「親北朝鮮共産主義者」と呼んで反対した。

(尹氏は火曜日の戒厳令を出した際、「自由な韓国を北朝鮮の共産主義勢力から守り、恥知らずな親北朝鮮勢力や反国家勢力を排除するため」と述べた)。

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