戒厳令で露呈した「韓国社会が抱える圧倒的な闇」 結局何が突然の戒厳令を招いてしまったのか

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(写真:The New York Times)

2022年、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、1980年代に軍事政権を放棄し、自由な大統領選挙を行うようになって以来、最も僅差で韓国の最高権力者の座を勝ち取った。

それからわずか2年余り、尹氏が12月3日に戒厳令を短期間宣言したことは、軍事介入による波乱の時代が過ぎ去ったことを期待していた韓国国民に衝撃を与えた。

二極化した政治の成れの果て

数千人のデモ隊がソウルに集まり、尹氏の逮捕を求めた。文化的ソフトパワーのモデルであり、アジアの民主主義の旗手とみなされていた韓国が、突然別の方向に急転したのだ。

しかし、3日に尹氏が驚くべき宣言をすることになったこと、そしてその数時間後に国会が政令の阻止を決議した後に尹氏が政令を解除することになったことは、尹氏がぎりぎりのところで大統領選に勝利するよりもずっと前から動いていた。それは、韓国の激しく二極化した政治と、台頭する世界的な勢力の水面下にある深い社会的不満を示す劇的な出来事であった。

かつては元大統領を捜査した辣腕検事であった尹氏が、野党の熱狂的な攻撃を受けていることに気づいたとき、すべてが収束したのである。

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