戒厳令で露呈した「韓国社会が抱える圧倒的な闇」 結局何が突然の戒厳令を招いてしまったのか
「平和は力に裏打ちされたものでなければ意味がない」と尹氏は選挙キャンペーン中語った。「戦争は、先制攻撃の能力を獲得し、それを行使する意思を示すことによってのみ回避できる」。
アメリカのバイデン政権は、韓国が中国に対する防波堤としてアメリカの立場とより緊密に連携することを歓迎した。しかし、韓国ではほとんど役に立たなかった。国内での課題が山積しているにもかかわらず、韓国は野党との永遠の戦争に巻き込まれていたのだ。
韓国の表と裏
ビジネス、映画、テレビ、音楽など、韓国が世界的に影響力を増しているにもかかわらず、国内では深刻な不平等が不満に拍車をかけている。住宅価格の高騰により、人々はますます狭いスペースに、ますます高いコストで住むことを余儀なくされている。大学を卒業したばかりの若者たちは、適切な仕事を見つけるのに苦労しており、時には上の世代が彼らを締め出したと非難することもある。
経済の先行きが不透明なため、結婚や出産に消極的な若者も多く、急速に進む高齢化と世界最悪の少子化が同時に進行している。有権者はますます、政敵や移民、フェミニストを非難するようになっている。
韓国の女性家族部の廃止を選挙公約に掲げた尹氏を批判する人々は、同氏が特に若い男性の偏見を煽り、こうした対立を利用していると非難した。
しかし、尹氏は当初から2つの障害に直面していた。
野党の民主党は国会で過半数を維持し、4月の国会議員選挙でそれを拡大した。そして尹氏自身の支持率も惨憺たるものだった。
野党議員たちとの毒々しい関係、そして野党議員たちが事あるごとに尹氏に猛烈に反対したことで、尹氏の親企業的な政策は2年間麻痺し、法人税減税、国民年金制度の見直し、住宅価格への対応といった尹氏による努力は妨げられた。