東芝、4―6月期は3年ぶり最終赤字 家電や半導体で損失 家電や原発の採算が悪化

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[東京 14日 ロイター] - 東芝<6502.T>は14日、2015年4―6月期の連結当期純損益が122億円の赤字(前年同期は167億円の黒字)になり、3年ぶりに最終赤字を計上したと発表した。

液晶テレビ、パソコン、白物家電がいずれも赤字で、半導体でもフラッシュメモリーを除いて不振が続いた。記者会見した室町正志社長は、これら不採算業の構造改革について、10月末以降に順次発表する方針を示した。

4―6月期売上高は前年比4.5%減の1兆3498億円、営業損益は109億円の赤字(同476億円の黒字)。営業赤字も3年ぶりだった。

赤字のテレビ・パソコン・白物家電で構成する「ライフスタイル事業」の営業損失は207億円(前年同期の損失は51億円)だった。さらに、原発事業は前年同期に海外の大型案件があった反動で悪化し、火力・水力発電や鉄道システムも減益になったことで「電力・社会インフラ事業」が107億円の赤字(同100億円の黒字)を計上した。

半導体事業は、スマートフォン(スマホ)向けのフラッシュメモリーが高い利益率を維持して「電子デバイス事業」の営業損益は356億円の黒字を計上した。ただ、前年同期の489億円からは減益となった。一方で不振事業のディスクリートとシステムLSIは、いずれも赤字だった。

東芝は、テレビ・パソコン・白物家電、ディスクリート・システムLSI事業の不採算事業について構造改革を実施する計画。 記者会見した室町正志社長は「構造改革は案件ごとに方向性が決まったら、さみだれ式に発表する。10月末から11月初めの中間決算である程度開示する」と述べた。特に白物家電については「海外生産が円安でハンディを負っているので、海外拠点はある程度集約が必要」と指摘した。

2016年3月期の業績予想は今回も見送ったが「中間決算で公表できる状況にしたい」と述べた。同社は、15年3月期決算を2度延期して今月7日に公表。4―6月期決算も14日に発表したことで1カ月延期した四半期報告書の関東財務局への提出も期限に間に合った。

*会見内容を追加しました。

(村井令二 編集:吉瀬邦彦)

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