狂言師が伝授「古来の呼吸法」こそ現代人に効く 670年以上続く狂言の呼吸法をもとにした健康法
イメージでいうと、まず身体全体は脱力します。次に、お腹がぺったんこになるまで息を吐き切って、下腹に収縮感(丹田)を感じ、吸うときはお腹にも背中にも空気を入れる呼吸です。
浅い呼吸は心身の健康に悪影響を及ぼす
本来、腹式呼吸のようにしっかりとした呼吸で酸素を身体中の細胞に運べば、細胞質内の酸素がエネルギーを作ります。もっといえば、ミトコンドリア(クエン酸回路・電子伝達系)がエネルギーを作るのに酸素を必要とするのです。
このエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)と言いますが、筋肉の稼働、身体の代謝、DNA複製などに寄与します。胸式呼吸によって十分に酸素が取り入れられないということは、細胞のエネルギー産生が減少し、ATPの生成が滞るため、身体全体の代謝が低下するということです。
そのため、慢性的な疲労感や集中力の低下、体温の低下、免疫力の低下など、さまざまな不調が現れます。また、それだけでなく、浅い呼吸は交感神経を優位にしやすく、ストレスを増幅させてしまいます。
胸式呼吸によって、身体はつねに緊張状態となり、副交感神経が働きにくくなるため、リラックスできず、心身の疲労が蓄積されます。その結果、精神的な不安や焦りが増してしまい、長期的には心身の健康に悪影響を及ぼすリスクが高まるのです。
さらに、筋肉の緊張を助長し、肩こりや腰痛、頭痛、消化不良などの身体的な不調や睡眠の質を悪化させるなどの作用を引き起こします。これらの問題に対処するためには、腹式による深い呼吸を意識することが重要です。
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