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伊藤忠・岡藤会長が激白「総合商社に5社は多い」 業界のカリスマが語る"勝ち残る商社"の条件

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伊藤忠商事 会長、CEO 岡藤正広氏
岡藤正広(おかふじ・まさひろ)/伊藤忠商事 会長、CEO。1949年生まれ。東京大学経済学部卒業後、1974年に伊藤忠商事入社。一貫して繊維の営業畑を歩み、2004年に常務執行役員繊維カンパニープレジデント、2009年に代表取締役副社長、2010年に同社長。2018年から現職(撮影:今井康一)

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資源バブルの終了に、トランプ大統領の再登板――。総合商社を取り巻く外部環境が大きく変わろうとしている。本特集では、各社のトップインタビューに加えて、注目事業の最前線をリポートする。

14年もの長きにわたって伊藤忠商事のトップに君臨し、財閥系商社と戦える水準まで押し上げた岡藤正広会長。業界のカリスマが、これまでの経営と未来を本音で語り尽くす。

過去の失敗を教訓に

──伊藤忠の時価総額は岡藤会長が社長に就任した2010年時点から10倍近く膨らみ、12兆円台(11月22日時点)に。商社トップです。

この10年間で、総合商社は大躍進した。とくにウォーレン・バフェット氏が2019年ごろから商社株を買ったことが時価総額の高騰に火をつけた。

「コングロマリットは企業価値を下げる」「選択と集中が必要」というのが、株式市場の商社業界に対する常識的な見方だった。バフェット氏はその盲点を突いた。「思い込みだ」と。そうして、これほど成功した投資は最近ないというほど結果を出している。

そもそも商社はずっと業績が堅調だった。それに高配当だ。社員への報酬は高く、就職人気も高い。こうした点にふたをして、事業内容のわかりにくさゆえに市場から評価されにくかった。

その点で伊藤忠は、生活消費関連のビジネスに注力してきたので、比較的理解されやすかったと言える。それでもまだ割安だ。日本企業の時価総額ランキングを見ると、伊藤忠が11位だが、総合商社はベスト10には1社も入っていない。利益の額ではうちに劣るところがランクインしているというのに。何かの拍子に、総合商社の時価総額はもっと上がっていくはずだ。

──各社は業績を着実に伸ばしています。かつてのように、巨額減損を出して赤字に転落することもなくなりました。

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