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指示出さない「イタリア人の上司」から得た気づき コーチング理論に裏打ちされた「綿密な計算」

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  • 金田 博之 ゼットスケーラー株式会社代表取締役
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そこで出てきたアクションの案をもとに、優先順位をつけていきます。そしてそのアクションの担当者と期限を決め、プロジェクトに社内のさまざまな人たちを巻き込んでいきました。

こうして、私が推進するプロジェクトチームの定例会議は、単なる報告の場ではなく、活発な議論が行われるように変わりました。

その後、各メンバーを複数のワーキンググループに再編成しました。そして各グループに具体的な役割とデータ準備の指示を出し、会議の各準備段階でその目的と時間軸を明確にしました。

また、全員が意見を出しやすいようにグループごとに発表と議論の機会を均等に割り振り、議論を偏らせないよう努めました。そして、議論が迷走しないよう、データや事実にもとづいて進行することにより意識を置き、そのための専任メンバーをアサインしました。

武器としての「ファシリテーション」

つまり、会議の推進体制と議論のステップを「仕組み化」したのです。

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こうして次第に会議の質が向上し、事業計画もようやく形になっていきました。その結果、プロジェクトは大きく進展しました。そして経営会議で進捗を報告し、CEOをはじめとする上層部からの支援や投資を引き出すことができました。

プロジェクトは6カ月で立ち上がりました。もちろん私ひとりの力ではなく、当時一緒に仕事をしたメンバーたちが優秀であったことが大きな成功要因です。

ファシリテーションは、業界の壁、部門の壁を超えて活用できるコミュニケーションの「武器」なのだと実感しました。

自分の知識や専門性をもとに自分が主体で議論をリードするアプローチではなく、部下やチームの知識や専門性を引き出しながら、参加者が主体で議論をリードするアプローチの効果の大きさを体験できたのです。

この経験を通じて、私はファシリテーションが単なる会議進行のスキルではなく、メンバーの力を最大限に引き出し、チーム全体で成果を上げるための非常に重要な手法であることを改めて学びました。

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