ジム・ロジャーズ「日本の円安が心配でならない」 「日本は大丈夫」という考えは間違いである

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つまり、今回のマイナス金利からの脱却は、あくまでも始まりに過ぎず、日本経済の本格的な立て直しには、さらなる改革と長期的な視点に立った政策が必要不可欠だ。現在の政策が維持され、金利がさらに引き上げられるかどうかは、まだわからない。

いずれにせよ本当の意味での金融正常化、景気回復には痛みが伴うものだ。一方で、誰も痛みは望まない。植田総裁はそこを、押し切れるのかどうか。

一時的だったとはいえ、株価が大暴落するといった、一部の痛みも出始めているように思える。しかし、株価の大暴落はあくまでも別の要因によるものに私には見える。長年にわたりゼロ金利政策を続けてきたことに端を発する、異常とも言える株価の高騰による投資家からの反発、経済の歪みによるものだ。

投資や貯蓄を呼び込まなければ、日本経済は衰退の一途

日銀が取るべき選択肢、日本が再興するための取り組みについて、結論から言えば、まずは自国の経済基盤を健全化することが不可欠だ。実現のためには現状を正確に認識し、勇気ある決断を下す必要がある。これは、日本だけでなく世界経済全体の未来にも関わる重要な課題でもある。

日銀がなすべきことは明確だ。まずは日銀がお金を刷ることをやめること。さらに、日本国内で投資を奨励するためにできることは、何でも実行に移していくこと。ここでは特に、投資について言及する。

投資は国の経済成長にとって非常に重要だ。投資は、貯蓄を生産性の向上、新しいビジネスの創出に利用することを意味する。

これらの活動によって経済全体の需要を高め、雇用機会を創出し、経済成長を促進することができる。また投資は技術革新やインフラ整備にも貢献し、長期的な経済発展に寄与する。つまり日本は、投資意欲を呼び戻すことができなければ、経済再興はおろか、さらなる衰退の一途をたどることになる。

まずは、親世代が投資を積極的に行っていくことが大事だ。一方、ゼロ金利が当たり前の時代に育った貯蓄・投資意欲の低い若い世代も、日本の将来のために、投資が重要であることを理解する必要がある。

日本ではタンス預金と呼ばれるように、ゼロ金利政策が実施される以前、特にシニア層における貯蓄率は高いとのイメージがある。

しかし、あくまでイメージであり、実際には、日本人が海外の状況や他国の人々の行動や実態を、十分に把握していないと私は見ている。

貯蓄率は「総貯蓄率」とも呼ばれる指標であり、「貯蓄額÷可処分所得(手取り収入)×100」で計算することができる。

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