ガスト「1990円高級フレンチ」の値段より凄い箇所 身近なお店でフレンチの魅力を楽しむきっかけに

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その間、店内にはネコ型ロボットがせわしなく徘徊していたが筆者のテーブルにやってくることはなかった。こうした点も1990円という価格に見合った価値だと考えられる。 

店内を駆け回る配膳ロボット。今回のフレンチコースでは、人間のスタッフによって提供された。つまり、働く人の負担は増える試みではあるようだ(筆者撮影) 

値段以上に凄い? シェフたちの心意気を感じた

今回のフレンチコースは、「ガスト」の安価なイメージもあって、驚きを持って受け入れられている。その狙いについても、すでに言及する記事は少なくない。 

ただ、外食メディアで編集者をしてきた筆者には、今回のフェアでは「ガスト」という多くの人にとって身近なお店で、高級フレンチの魅力を知ってほしいというシェフや開発者たちの意気込みを勝手ながら感じた。 

ハンバーグという身近な料理をフレンチ仕立てにしていたり、前菜・メイン・デザートと一皿ずつ提供されるコース形式の食事だったり、フレンチやコース料理に馴染みのない人にとっての入門編となるかもしれない。 

もちろん、本物の高級フレンチと比較すると全くの別物ではあるが、慣れない人がいきなり高級店に行くのも緊張する。気軽に入れるファミレスで、普段は触れない素材や仕立ての料理を知ることで、フレンチの魅力を知れるのではないだろうか。 

さらに、今回のフェアでは小学生以下限定で「お子様幸せフレンチプレート」990円も用意されていた。先述のコースの内容を子ども向けにワンプレートにまとめたものだ。通常、高級フレンチは子連れでは難しい店も多い。そんな中でお子様メニューも用意し、子連れでも気兼ねなく本格的なフレンチを楽しむというシーンを創出しようとしているのかもしれない。 

「お子様幸せフレンチプレート」の注文画面(筆者撮影) 

食事中には卓上のタブレットに「至福のフレンチコース」に関してのアンケート回答のお願いが表示された。今後、「ガスト」としても反応を探りながら、このフェアを布石に様々な取り組みを仕掛けていくのだろう。 

「至福のフレンチコース」を注文したお客にのみ表示されると思われるアンケート画面(筆者撮影) 
大関 まなみ フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人

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おおぜき まなみ / Manami Ozeki

1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月より飲食業界のトレンドを発信するWEBメディア「フードスタジアム」の編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100人の飲食店オーナーを取材する。
Instagram:@manami_ohzeki

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