リスクがあるとは、収益率が確定していないということだ。高い収益率を実現できる場合もあるが、逆に非常に低い収益率になる場合もある。場合によっては、損失を被る場合もある。株式投資をした人のすべてが、預金よりも高い収益率をかならず得られるわけではない。
借入をして実物資産に投資する場合も、平均的に見れば高い収益率が期待できるということであって、個々の場合を見れば、すべての投資が大きな利益をもたらすわけではない。場合によっては損失を被ることがある。その場合には借入金を返済することができなくなり、困難な状態に立ち至るかもしれない。
インフレだから企業利益が増えるとはかぎらない
企業の利益はさまざまな要因に影響される。だから、すべての企業やすべての株主が、あらゆる場合に、インフレで必ず利益を得られるわけではない。
借入で住宅に投資した場合も、購入した住宅がどの程度値上がりするかは、地域や住宅の種類などによって大きく異なる。そもそも、値上がりするかどうかさえ、定かではない。
このように、貯蓄から実物資産投資に移行することが、どんな場合もインフレに対する有効な手段であるとはいえない。
株式や実物資産に対する投資の収益率が預金金利より高いのは、このような危険に対する報酬なのだ。
リスクのある資産の平均収益率と安全資産の収益率の差を、「リスクプレミアム」という。
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