なぜか「尾骨」にあらわれる、人の"心のしんどさ" 心と体は「互いに」密接に影響し合っている

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「お仕事ができる方だけに、色々と大変でいらっしゃるんですね」とつぶやくと、そのご主人はガバッと起き上がって、「いや〜そうなんですよ、実はですね……」と、職場でのストレスや、仕事の相談ごとまで私にされました。全く知らなかった奥さんは、驚いていらっしゃいました。

帰り際スッキリした顔で「先生また来ます!」とおっしゃるので、「痛みがないなら来なくて結構ですよ。お家で奥さんと一緒にまくら体操(私が考案した「背骨」と「骨盤」にアプローチするセラピー体操のこと)してください」と言って見送りました。

その後、奥さんと一緒に体操に励み、ご家庭での夫婦の会話も増えて、腰痛も良くなったそうです。

心と体は「互いに」影響し合っている

人の体とはおもしろいものですね。そんなふうに、すこしメンタルが落ち込んでいる人や、やる気を失っていたり、引きこもり気味な人などは、たいてい腰が下がり、仙骨部分が硬く張り出し、尾骨がお尻の間に巻き込むような形になっています。

簡単に言えば、心が弱っている人は、姿勢が悪い場合が多く見られるのです。逆に、重いうつ状態だった人が、日常的に自分の体を整え、姿勢を改善していったことで、すっかり豊かな表情を取り戻すこともあります。

しんどくなったら、心より先に体を整えよう
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「気合いを入れたらできる」

「怖くないと思えば大丈夫」

「メンタルが強ければうつにはならない」

そんなふうに、心、いわば気の持ちようで「しんどさ」はどうにかなるものだと思っている人も多いかもしれません。でも、なかなかうまくいかないのが現実です。そして、心と体は「互いに」影響し合っているということも事実です。

心の様子が体の反応に表れることもあるし、それを心で止めようと思っても止められないこともある。体の反応で心の様子がわかることもあるし、体の状態が心を変えることもある。

だから私は、「しんどさ」を抱えて心だけに目を向けようとしてうまくいかないときは、ぜったいに体からアプローチするのが良いと思っています。

いちい 葉子 整体指導士、からだデザイン研究所主宰

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いちい ようこ / Yoko Ichii

1968年生まれ。神戸出身。大手化粧品会社で営業や人事としてがむしゃらに働く20代を過ごす。30代半ばで母親のがんが発覚。あらゆる手を尽くすも進行を防げず、これまでにない喪失感に襲われる。その後も休むことなく仕事や育児を続けた結果、さまざまな不調が出現。何をしても良くならないと諦めかけていたとき、整体と出会う。症状のある部位だけでなく体全体をみて整える手法により、驚異的に心身が回復。その経験から自分と同じように苦しむ人を救おうと、整体理論を学び「まくら体操セラピー」を開発。代々木上原に教室を開く。そのシンプルながらも奥が深いメソッドは、体だけでなく心までも元気になるとクチコミで広まり、受講者が殺到。10代から70代まで、のべ3万人の心身の不調と向き合い、新規レッスンは2ヶ月先まで予約が取れない状態が10年以上続いている。全国はもとより、アジア、ヨーロッパ、北米など世界中に受講者が広がる。『ヒルナンデス!』(日本テレビ)などのメディアでも紹介され話題に。朗らかな人柄と、一人ひとりのつらさに寄り添う姿勢に、多くの人が勇気づけられている。

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