4月までに1200億円超の返済圧力、エルピーダはどこに打開策を見いだすのか
日本唯一のDRAMメーカー、エルピーダメモリをめぐる動きがあわただしくなってきた。
昨年11月に掲載した記事「赤字転落のエルピーダメモリ、迫る巨額返済の重圧」でもまとめたように、DRAM世界3位の同社は今、資金繰り難に直面している。
エルピーダは1月24日に300億円、3月22日に150億円の社債が償還期限を迎え、4月2日には公的支援スキームで得た借入金のうち約770億円の返済期限が到来する。合算して1200億円を超える返済額だ。加えて、4月1日には日本政策投資銀行による優先株300億円に対する金銭対価取得請求権が発生。これも含めて考えれば、実質的には、1500億円規模の資金を用意しなければならない状況にある。
DRAM市況が歴史的な低い水準へと下落する中、同社は11年4~9月期(上期)決算で567億円もの最終赤字を計上。その後もDRAM価格が低迷を続けていることを考えると、今12年3月期は、リーマンショックに見舞われた09年3月期(1788億円の最終赤字)に次ぐ巨額赤字が避けられない。11年9月末時点で手元資金は約1000億円あったが、これだけでは到底賄いきれない。
DRAM世界5位の台湾・ナンヤとの資本提携交渉や、東芝による支援、取引先に対する5億ドル(400億円程度)規模の出資要請、産業活力再生特別措置法(産活法)の適用再認定など、各種の観測報道が飛び交っているのは、このためだ。