「O2Oビジネス」という新潮流《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第1回》

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「O2O」ビジネス。今、企業のマーケティング関係者、インターネット技術者の間で盛んに交わされる言葉だ。O2Oとは「オンライン・ツー・オフライン」のことで、ネット上の情報(オンライン)を使ってリアルな現実社会(オフライン)の消費行動に影響を与えようというもの。ネットを媒介にしてリアルな店舗に客を誘導するという点で、ネット上での販売に完結する従来のECサイトとは異なる。

この動きは、もちろん日本だけでのことではない。Google、Facebook、Yahoo!といったグローバルなネット企業の巨人たちが、こぞってO2Oビジネスへの取り組みを強化しているのだ。

彼らはこれまでパソコンOS、ブラウザ、ソーシャルメディア、スマートフォンなどで熾烈な覇権争いをしてきた。それが現在は、リアル店舗をも主戦場に巻き込もうとしている。O2Oは、IT世界全体の巨大な潮流になっている。

野村総合研究所とGoogleは、11年10月、「インターネット経済調査報告書」で、こんな調査結果を発表している。インターネットで情報を収集して、実店舗などで購入に至った「インターネットに喚起されていた消費」は、21.8兆円だった。この数字は、年間の家計支出品目のうち、店舗などで消費されたものの約19%に相当する。この「インターネットに喚起されインターネット以外で消費されたもの」こそが、O2Oビジネスの領域なのである。

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