「木枯らし1号」が早い年の"株価のジンクス" 冬入り時期の違いは景気や株式市場にも影響

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結果を整理しましょう。木枯らし1号にちなんだ株価のジンクスは「木枯らし1号」が遅く吹くほど、翌日から年末までの株価はより一層、高くなる傾向というものです。

木枯らし1号のジンクスが起こる理由

なぜ、このようなジンクスが起こるのでしょうか。木枯らし1号が吹くのが遅いということは、それまでの間、暖かい秋が続くわけです。爽やかな秋の季節のなかではみなさんも外出しやすくなり消費も盛り上がりやすくなるでしょう。

食欲の秋、旅行の秋など、楽しみも多く、消費が増えれば景気や株価にポジティブとなります。秋の期間が長ければ、衣料品業界でも秋物の売れ行きが好調となります。秋が短いと秋物が売れず、その時期を通り越して真冬物に注目が集まってしまい、消費にも影響してしまいます。

ところで、注意点もあります。木枯らし1号が吹かなかった年はこれまで8回あるのですが、これらの11月から年末までの2カ月の日経平均株価の騰落率を平均すると、-1.2%と下落傾向でした。冬の訪れが分かりにくいと冬物の消費が盛り上がりにくいことが理由にあるのでしょう。

吉野 貴晶 マネックス証券チーフ・マーケット・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ 投資工学研究学長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、国内系運用会社で投資工学開発センター長を経て、現職。社会人として歩みを始めて以来、一貫してクオンツ計量分析、データサイエンス、AI(人工知能)を活用した証券市場の分析に携わる。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール)にて客員教授、学術フロンティア・センター特別研究員。経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。博士(システムズ・マネジメント)。日本ファイナンス学会理事、日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)理事。2025年9月より現職。

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