「木枯らし1号」が早い年の"株価のジンクス" 冬入り時期の違いは景気や株式市場にも影響
このような冬入り時期の違いは景気や株式市場にも影響を与えます。下表で確認しましょう。気象庁のウェブサイトでは、1951年から木枯らし1号が吹いた日のデータが取得できます。
そこで10月中に吹いてしまった「早い年」、11月10日までの「例年並み」と11月11日以降に吹いた「遅い年」の3つに分けて、木枯らし1号が吹いた日の翌日から年末までの日経平均株価の騰落率を平均しました。
木枯らし1号が「早い年」は、1951年以降で22回ありました。それぞれの年で、木枯らし1号が吹いた翌日から年末までの日経平均株価の騰落率を計算した後、22年間を平均すると、2.4%となり上昇しました。ただ、「例年並み」の4.1%と「遅い年」の5.2%に比べると上昇率が劣っていることも注目されます。
景気へのプラス効果
基本的にこの時期の株価は年末にかけて上昇しやすいことは前回の本連載『ハロウィンの日の投資は「儲かりやすい」の真相』でも紹介しました。冬を迎えてエアコンなどの家電の購入が増えたり、年末に向けて会社員はボーナスの時期にもなり、クリスマスや年末商戦を迎えて個人消費が増える時期です。このような景気へのプラス効果が、木枯らし1号が吹いた日の翌日から年末に向けて基本的に株価が高い理由となります。
そして、分析結果から最も注目したいポイントは、木枯らし1号が吹いたのが「遅い年」は日経平均株価の騰落率が「例年並み」や「早い年」に比べて最も高いことです(5.2%)。また、上昇した年が21回となる一方で、下落した年は3回しかなかったため、88%の高確率で上昇する傾向(勝率)が見られました。
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