仕事でうまくいきたいなら「類人猿」から学べ ゴリラ上司とボノボ部下が分かり合うには
岡崎(真):他方、チンパンジーは「では、チームで話し合ってください」の「くださ……」くらいのところで、もう「やるよな!」「絶対やる!」と言っているような感じ(笑)。俺がやると思っているのだから、出来るだろうと。むしろ反対者が多いほうが燃えるタイプです。
ただし彼らの面白いところは、反対しているのが自分の人事権にかかわる上司だったら、「やっぱやらないですよね、無理だと思ってたんですよね!」と寝返るところです。
岡崎(和):彼らの背景にあるのは、やりたい、評価されたい、手柄を立てたい!というとても前向きな感覚です。人事権のある上司が反対しているのに強行にやってしまったら、評価が下がってしまいますよね。そういう場合、やる気をなくす傾向が強いのです。
岡崎(真):さて、残ったオランウータン。彼らは「やる」の方向に行くのですが、反対されている要因は何か、論理的に分析して、それを打ち負かせるような策を用意しようとします。彼らの場合、むしろ7割の人が賛成しているような案件だと、「何か間違っているんじゃないか?」と考え始めるような人が多いです。
4つのタイプ、褒め方のコツは?
――かなり傾向が分かってきました。それでは、4つのタイプの部下に対して、上司はどんなところに気をつけて声かけをするのがいいのでしょう? たとえば、褒める場合。
岡崎(真):チンパンジーがいちばん分かりやすいですね。その人自身に焦点を当てることがポイントです。「アナタだったからできたよ」「アナタじゃなかったらできんかった、さすがやなー!」という感じ。
岡崎(和):それがゴリラさんに通じるかというと、そうではないんですね。ゴリラは「調和」を大事にする傾向があるので、たとえば「君が気を配ってくれたから、すごくチームが動きやすそうだったね」とか「いいバランスを持ってやれていたよね」とか、チーム全体がよかったのだという褒め方がはまりやすい。
オランウータンは難しいです。褒めるポイントが、部下自身がよく出来たと思っているポイントであるのが重要になります。つまり「アナタはすごい!」って褒めると、「え、何がすごいんですか?」と聞き返してきたりします。仕事内容に触れるような内容じゃないと、ピンと来ない。
岡崎(真):具体的に言うと、「あそこでのあの資料の出し方、あの数字の分析が鋭かった」とかでしょうか。
岡崎(和):ボノボは、感情の人ですから、「アナタがいてくれたから、みんなが楽しそうに出来た」「和気藹々とした雰囲気がよかった、気持ちが一つになったね」とか、そっちに持って行くのが効果的です。
岡崎(真):「一緒に」とか「みんなで」というのもキーワードになります。「また一緒に仕事できたらうれしいな」とか言われると、めちゃくちゃモチベーションが上がるわけです。
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