ドジャース球場から20分「ロス郊外」のヤバい治安 市議選で治安が最優先事項になっている街の今
見たところ、商店街のざっと3分の1ほどの店舗が「空室」になっている。その中でも「AMCブロードウェイ4」という創業90年の歴史を持つ映画館が今年9月に閉店したのは、象徴的だった。かつてはレストランがあった店舗やリテール店舗の多くも、がらんとした空室になっている。
ドジャース公式ショップでは、ワールドシリーズ記念のTシャツが売られ、その同じ並びには、民主党の大統領候補、カマラ・ハリスの選挙運動の拠点があり、ボランティアたちが活動している。
郡はホームレスたちへ注射器を無料配布
そんな中「Santa Methica is Not Safe(サンタ・メシカは安全ではない)」というメッセージが印刷された巨大な垂れ幕が下がっている店舗があった。「メシカ」とは、「メス」という略語で知られる覚醒剤のメタンフェタミンを「モニカ」にひっかけた造語だ。
ドラッグ依存のホームレスが急増していることを指しているのは、明らかだ。その下には「サンタモニカで犯罪の被害に遭った人はいますか? 私たちと一緒に集団訴訟を起こしましょう」というフレーズが印刷されている。
この垂れ幕を掲げたのは「サンタモニカ連合」という非営利団体の市民グループだ。この商店街内に店舗ビルを所有し、不動産業を営むジョン・アレ氏がこの団体の代表を務める。アレ氏はこう語る。
「サンタモニカ市議会は、市内の公園内で、ホームレスの人たちへの注射器の無料配布を許可してきた。ドラッグ依存症のホームレスが昼間からたむろし、芝生の上には注射器があちこちに落ちている。そんな公園で、私たち住民は、子どもたちを安心して遊ばせることはできない」
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