「子どもの近視」を抑制するのは意外と簡単だ 身体機能を取り戻すカギは「自然」にあり

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窪田:なかなかマネできることではないですよね。植村さんの講演を聴く機会があったのですが、話の節々から人間性の素晴らしさがひしひしと伝わってきました。自然の厳しさを知っているからこその人柄の優しさというんでしょうか。

春山:そうですね、人間の命が自然の一部であるというのを体験・経験を通じてご存じだったのかなと思います。

私が「ヤマップ」を起業したのは、人間が外で活動することが少なくなり、子どもが外遊びしなくなったことに危機感を抱いたからです。このことが私たちが自然界の生き物であることを忘れさせているし、人間の身体性を著しく落としているとも感じています。

窪田:そうですね。人類の長い歴史の中で、このたった40年程度の間で子どもの近視率が倍増しているという事実からもそういえると思います。

春山:窪田先生の書籍を拝読してとても興味を持ったのが、台湾の小学校での近視抑制に成功した事例です。小学校で1日2時間の外遊び・屋外活動を確保することで、子どもの近視有病率が下がったということですね。

台湾における子供の近視割合
(画像:『近視は病気です』より)

窪田:世界の科学分野で最も権威があるとされる全米科学アカデミーも、つい先日、近視の進行を防ぐには子どもの屋外活動を1日1~2時間確保する必要があると発表しました。

春山:そうなのですね。 また窪田先生の書籍で共感できたのが、まずは子どもに1日合計2時間程度外遊びをさせましょうと提言されているところです。太陽光という自然の力を借りて、目が本来持つ機能を維持させましょうという考え方は素晴らしいと感じました。

21世紀は予防医学の時代、近視も予防可能に

春山:身体にいいことをとなると、サプリや薬などの話になることが多いと思います。ですが、窪田先生は人間が本来持つ力を信じてケアすると述べられています。眼科医でこのようなお話をされる方を初めて知ったので驚きました。

窪田:もしかしたら私のような眼科医はマイノリティなのかもしれません。21世紀は予防医学の時代だと考えていて、病気にかからない生活習慣を持つことが何より大事なことだと思っています。

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