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キャリア・教育 #近視は病気です

「子どもの近視」を抑制するのは意外と簡単だ 身体機能を取り戻すカギは「自然」にあり

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  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
  • 春山 慶彦 ヤマップ代表取締役CEO
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窪田:これは歯科医の先生方が、子どもやその親たちの啓発に昔から力を入れてきたからです。歯に関する子ども向けの絵本も多いですしね。台湾をはじめ、中国では国をあげて近視抑制に乗り出し、子どもや親だけでなく教育機関をも巻き込んで啓発を一気に広げました。

日本でも文部科学省がホームページで、子どもたちの近視有病率が過去最悪で、それを食い止めるためにも1日2時間程度の外遊びを推奨する文言の掲載はしています。ですが、その情報が教育現場や子育ての現場でまだ周知されていないように感じています。

人間の身体機能の退化をどう取り戻すか

春山:人間が太陽光を浴びて身体を動かすという、原始時代からの変わらぬ身体の使い方がやはり健康にいいという考えは、私たち「ヤマップ」も同じ思いを持っています。

春山慶彦/1980年福岡県春日市出身。同志社大学法学部卒業。アラスカ大学フェアバンクス校野生動物学部中退。ユーラシア旅行社『風の旅人』編集部勤務後、独立。I Tやスマートフォンを活用して、自然や風土の豊かさを再発見する仕組みをつくりたいと思い、2013年にヤマップをサービスリリース。養老孟司さんらとの対談をまとめた『こどもを野に放て!』を出版(撮影:梅谷秀司)

私たち人間の手は、パソコンを打つために、スマホをいじるためにできたのではありません。自然の中で歩いて食料を取ったり生活したりするためにこの身体に進化したわけです。人間の今までの進化と昨今の道具の進化スピードの乖離に危機感を持っています。

窪田:おっしゃるとおりですね。自分たちにとっては便利だと思っている道具の進化が、長期的には自分の健康を害する可能性がありますよね。

春山:進化した道具の影響を受けて、私たち人間の生活様式が変わり、その結果身体が変化する。目だけでなく人間の全身にとって屋外で活動することが大切ということですね。

窪田:新しいテクノロジーが私たちの生活に入ってきたら、まず一度立ち止まって考えることが必要です。例えばエスカレーター。便利で身体は一時的には楽だけど、長期的に考えるとエスカレーターを積極的に使い続けるのは身体の健康にとってはいかがなものかと思います。

失った身体機能を別な形で補うのか、はたまた失うことをわかったうえで受け入れるのか。私たち現代人が自然の中で身体を動かすことで、目をはじめとする健康を取り戻せるかが大事なのではないでしょうか。

(構成:石原聖子)

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