中国は世界で群を抜く風力発電大国であり、2023年の新規導入量は全世界の65%を占めた。同年の国別の新規導入量は、アメリカが中国に続く第2位、ブラジルが第3位、ドイツが第4位、インドが第5位だった。
一方、新規導入量の前年比の伸びを見ると、アジア太平洋地域は2022年からほぼ倍増、アフリカおよび中東地域は同2.8倍に増加したのが目立つ。さらに今後は、中央アジア、東南アジア、東ヨーロッパなどでも大幅な増加が期待されている。
その背景には、(新興国においても)各国の政府が再生可能エネルギーへの転換に本腰を入れ、導入目標を明確に打ち出していることがある。風力発電装置のコスト競争力で優位にある中国メーカーにとって、新興国市場の魅力が増していると言えそうだ。
欧米メーカーは本拠地回帰
BNEFのデータによれば、2024年前半時点の陸上用風力発電装置の市場価格は、中国国外では定格出力1kW当たり1000ドル(約14万9800円)前後だったのに対し、中国国内では3分の1未満の約300ドル(約4万5000円)だった。
「風力発電装置の部品コストは過去2年間で多少下がったものの、中東情勢の緊迫に伴う物流コストの上昇などにより、欧米の風力発電装置メーカーは輸出競争力が低下した」(BNEFの陳氏)
そんな中、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)や欧州のシーメンス・ガメサなどの大手は(利益を確保しやすい)欧米市場への回帰を強めている。そうした動きが「中国メーカーに新興国市場への輸出拡大のチャンスをもたらしている」と、陳氏は指摘した。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は10月18日
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