ワタミの日本サブウェイ買収で克服できる「弱点」 日本で3000店舗の展開に役立つワタミの強み

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
導入が進むサブウェイのセルフオーダー(撮影:今井康一)

ところが近年、この弱点が克服されつつあります。その理由が飲食店全般で普及が進んできたスマホによる事前オーダーにあります。サブウェイでもセルフオーダーに慣れた顧客が増え、余裕をもってカスタマイズを選び、注文したサンドイッチをピックアップする形にユーザーインターフェイスが変化しています。

セルフオーダーからスマホでの事前オーダーに進化していけばこれまでは強みでも弱みでもあったサブウェイの注文方法は、主に強みだけに変わります。その意味ではよいタイミングでワタミはサブウェイの経営に参画したのだと考えられるのです。

理由2:日本市場のパートナーの必要性

日本サブウェイの歴史を見ると、実は当初の参入の方法も悪くはなかったと考えられます。1992年に日本に参入した当時は、日本サブウェイにはサントリーが出資してマスターフランチャイズ契約も締結していました。

そして当初、サブウェイはアメリカと同じメニュー展開をしていたのですが、サントリー側の提案で徐々にメニューは日本市場に適応したものに変わっていきます。たとえばパン生地には北海道産の小麦が使われ、「てりやきチキン」や「えびアボカド」のように日本人が好むメニューが開発されてきました。

このサントリーの経営参画が終ったのはアメリカ本社側の事情でした。当時、世界戦略として海外展開を現地パートナーに委ねる形から本社が一元管理をする方向へと転換をしたのです。この方針に沿って2016年にサントリーも契約満了に伴ってフランチャイズ契約を解消されたのです。

その後、2023年に創業者のフレッド・デルーカが死去したことにより、グローバルなサブウェイの経営権は創業家から投資ファンドへと移ります。そしてファンドが新たな戦略を考えた結果、やはり世界各国の市場はそれぞれの事情で経営したほうがいいと判断したのでしょう。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事