「大谷ハラスメント」と騒ぐ人たちに欠けた視点 "煽るメディア"と"怒る視聴者"が心がけたいこと

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さらに厳しかったのは、味方であるはずの野球ファンからも厳しい声があがっていたこと。

前番組の野球中継を試合終了直後に終了させ、勝って日本シリーズに進出したベイスターズ選手たちの様子や三浦大輔監督らのインタビューを流さず、ドジャース戦に切り替えたことが怒りを買ってしまいました。

怒りの矛先は主に放送局の日本テレビに向けられましたが、中には大谷選手の名前を出して不満を漏らす人もいたのです。

この緊急放送によって火が点いたのが「大谷ハラスメント」というフレーズ。今年、大谷選手の活躍をメディアが大量に扱うことや、大谷選手についての情報を「知らないの?」などと疑問視されることをハラスメントとみなす声が一部であがっていました。

今回はこのフレーズをいくつかのネットメディアが記事化したこともあって一気に広がった感があります。

フジテレビがワールドシリーズ全戦を朝に生放送し、夜にも再放送する放送するほか、朝から夜にかけての報道・情報番組やワイドショーでの扱いも含め、26日以降はこれまで以上に大谷選手がフィーチャーされることは間違いないでしょう。

また、27日に衆議院議員選挙の投開票が行われる中、その前後で大谷選手を大きく扱い続けることで、さらなる批判につながる可能性も考えられます。

そのとき、「大谷ハラスメント」の声がどれくらいあがりそうなのか。ハラスメントの成立要件やメディアのあるべき姿などを含め、掘り下げていきます。

「嫌」「不快」ならハラスメントか

まず26日以降、「大谷ハラスメント」の声がどれくらいあがりそうなのか。

ドジャースとヤンキースの本拠地はアメリカの二大都市であるロサンゼルスとニューヨークであり、まさに東西の名門。ともに今年のナショナルリーグとアメリカンリーグ最高勝率チームであり、ワールドシリーズで対戦するのは43年ぶり。さらに50本塁打以上の選手が対戦するのは初めて(大谷選手54本、アーロン・ジャッジ選手58本)などのトピックスが多く、メディアが盛り上げる材料には事欠きません。

全戦放送するフジテレビも連日、報道・情報番組やワイドショーで特集を組んでいるほか、多くのCMを流し、昼の帯バラエティ「ぽかぽか」では日替わりの若手アナウンサーがドジャースのユニフォームを着て出演するなど、お祭りムードを感じさせてきました。

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