「大谷ハラスメント」と騒ぐ人たちに欠けた視点 "煽るメディア"と"怒る視聴者"が心がけたいこと
もちろん大谷選手の試合中継や特集を楽しみにしている人が多いのは間違いありませんし、活躍の程度にかかわらず、ワールドシリーズは今年最大の盛り上がりになりそうです。
活躍したらさらに盛り上がりは増すのはもちろん、仮にドジャースが4戦全敗で大谷選手がノーヒットに終わったとしても今年の実績は揺らがないだけに、すぐに1年の振り返り特集に移ってメディアのフィーバーは続くでしょう。その間、「大谷ハラスメント」という声がこれまで以上にあがる可能性を感じさせられます。
ただ、それが「ハラスメントなのか」と言われたら答えは「NO」。自分が「『嫌がることをされた』『不快だった』と感じたからすべてがハラスメントとして認められる」というわけではありません。
テレビと視聴者の間に関係性の明確な優劣や上下はなく、逃げ場のない閉鎖された環境でもないため、「嫌」「不快」と感じたとしても、それなりに回避することが可能。
そもそも放送は自分だけに向けて行われているものではないし、生活や健康などを害されたわけでもなく、権利侵害などの法を犯していないのであれば、ハラスメントとは言いづらいところがあります。
大谷選手から見たハラスメントに
テレビ局としても大谷選手をフィーチャーすることはビジネス上の戦略であるうえに、特定の誰かに明確な損害を与えているわけでもなく、よほど批判の声が増えない限り、対応を変えないでしょう。
それはSNSの発達で匿名での発信が増え、テレビのような巨大メディアは批判を受けやすくなる中、このレベルの不満で戦略を変えていたら十分な収益が得られずビジネスが成立しづらくなってしまうからです。
また、「大谷ハラスメント」と実名を絡めて不満の声をあげることは、逆に大谷選手から見たハラスメントに該当しかねない行為。書き方によっては「嫌」「不快」にとどまらず誹謗中傷となり、名誉毀損が成立してしまう危険性もあるでしょう。
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