アドビが生成AIで人類総クリエイター目指す理由 クリエイティブツールによる新たな利用者層開拓
アドビもそれを追いかけた……という印象を受けそうだが、実際にはちょっと違う。ビデオ生成を手がけていることは昨年すでにアナウンス済み。画像の次は動画、というのは自明であり、「どこも開発していて、どこが最初に公開するか」という流れ、と理解するのが正しい。
Fireflyは他社とどう違うのか
OpenAIら他社の動画生成AIと、アドビのFirefly・ビデオ生成モデルにはいくつもの違いがある。
1つ目は「すでに誰もが使える」こと。最初に注目を集めたOpenAIのSoraは、10月15日現在、一般の利用者には公開されていない。Fireflyは「動画の長さは5秒まで」という制限付きのテスト公開ではあるものの、すでに誰でも使える。
2つ目は、「最初から各種ツールに組み込まれていること」。動画をゼロから生成することもできるが、前述のように、動画編集ソフトから使えるようになっている。前出のように、Premiere Proでは編集中の動画を2秒分伸ばす「拡張生成」機能として利用している。
秒数自体はテスト中ゆえのもので、伸ばすこと・変更することが検討されている。だが、ゼロからの生成ではなく「拡張生成」を軸にしていることには明確な理由がある。
アドビ・プロフェッショナルフィルム&ビデオ製品マーケティングディレクターのミーガン・キーン氏は、「拡張生成」として生成AIをPremiere Proに搭載した理由を「クリエイターの実作業に則したもの」と話す。
ビデオ編集中には、意外なほど「映像の尺が足りない」という課題に直面する。映像素材が十分にあればいいのだがそうもいかない。「ここがほんの少し長ければ」と苦労することになり、「スローモーションにして長くする」とか「あまり意味のない映像を挟む」とか、いろいろと誤魔化しテクニックを使うことになる。
だが、ちょっとだけでも映像を伸ばせれば話は変わる。
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