アドビが生成AIで人類総クリエイター目指す理由 クリエイティブツールによる新たな利用者層開拓

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次に「ワイヤー消し」。以下の2枚の写真は、新しい「Photoshop」の機能を使ったものだ。片方には大量の電線が写っているが、もう片方の写真には存在しない。Photoshopを使って消しているのだ。だが、複雑な作業は不要。文字通り「ワンクリック」で電線が全て消える。

Photoshop
新しいPhotoshopの機能。電線が大量に映り込んだ写真から、ワンタッチですべての電線を消し、背景も自然な形で残す(筆者撮影)

もう1つは「Sneaks」という未来向けの技術をチラ見せするイベントで公開されたもの。製品への投入は未定だが、ユニークでインパクトの強い技術が多い。なかでも喝采を集めていたのが「Project Turntable」。ある方向で描かれた平面のイラストを、そのままぐるり回し、別の方向から見られるようにしてしまうものだ。普通なら「望む方向からの絵を描きなおす」ことになるのだが、Project Turntableだと、好きな方向へ回す操作をするだけで望みの絵ができてしまう。

Project Turntable
Project Turntable。平面で描いたイラストを好きな方向に「回して」活用(筆者撮影)

自社開発AI「Firefly」で他社と差別化

こうした技術の背景にあるのは、もちろん生成AIだ。アドビは独自に「Firefly」という生成AIを開発し、さまざまな製品で利用している。Fireflyが公開されたのは2023年3月のこと。最初は「文章で画像や文字を含む静止画を生成する」というシンプルな機能からスタートしたが、現在はより多彩なコンテンツの生成が可能になっている。

その中で今回正式にスタートしたのが、冒頭で紹介した動画生成機能、ということになる。

動画を生成するAIは、今年に入って急速に注目が集まってきた。今年の2月、OpenAIが「Sora」を公開したのが1つのきっかけではあっただろう。文章から生み出されたリアルな映像は、SNSなどでかなり幅広く拡散された。

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