京セラが"タフネス特化"のスマホで目指すこと 10周年のTORQUEがニッチ市場で生き残る戦略とは
公式の試験項目には含まれないが、よりハードな試験も行っているという。非公式ながら「車で轢く試験」まで実施し、その耐久性を確かめている。また、北海道の北見工場では、厳冬期に雪の中に端末を突っ込む試験も行われている。マイナス21度からプラス60度という過酷な動作環境に耐える性能を保証するためだ。
しかし、現状はスマートフォン全体の耐久性向上が進んでいて、単純な「強さ」だけでは差別化が難しくなってきている。
「我々の考えるラグは高耐久でしたが、それを使っていくユーザー様にとっては、やはりこのラグ、高耐久だけでは物足りない」と京セラ通信機器事業本部の伊東恭弘氏は語る。この認識から生まれたのが、新たな「タフネス」というコンセプトだ。
信頼できる頼もしいパートナーへ
タフネスは、従来の高耐久性に加え、持続性、秘匿性、特殊性といった多面的な強靭さを包含する。具体的には、長時間のバッテリー持ち、高度なセキュリティ機能、特殊環境下での使用能力などが含まれる。
「単純にタフといっても、精神的なタフさもあれば、肉体的なタフさもあります」と伊東氏は説明する。この新しいコンセプトは、TORQUEを単なる「壊れにくいスマートフォン」から、あらゆる面で「信頼できる頼もしいパートナー」へと進化させる狙いがある。
ソフトウェアや設計面でも独自性を追求しており、G04からは専用の「TORQUEフォント」を採用し、ブランドの世界観を強化している。アクセサリー開発にも注力し、アウトドアでの使用を想定した浮き具付きケースなど、タフネススマホならではの周辺機器を展開。外箱のパッケージデザインにもこだわり、所有する満足感を高めている。
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