炎上した「移住婚」宇都宮には女性が殺到したワケ 女性の流出が止まらぬ地方自治体に残された課題
実際に、内閣府男女共同参画局の調査によると、もう10年以上、10代〜20代の女性の転出超過数の割合が、同年代の男性の割合よりも高い状態が続いているといいます(令和5年度の報告)。
つまり今回の支援制度は、女性を優遇するためではなく、地方に住む独身男性のためでもあったということです。
荒木さんは昨年、宇都宮ブランディングアライアンス(宇都宮市と宇都宮商工会議所、一般社団法人宇都宮観光コンベンション協会の3団体によって、昨年度に設立)が主催する、首都圏在住の女性と宇都宮在住の男性を対象にした「移住婚バスツアー」のガイドを行いました。
女性からは定員を超える申し込みがあり、抽選になるほどだったそうです。参加者30人で8組のカップルが誕生しました。
東京から100km圏内の移住婚なら「あり」?
「興味深かったのは、企画に参加した女性は、埼玉県や首都圏に住む東北出身の女性が多く、東京出身・東京在住という女性はいなかった点です」(荒木さん)
筆者も山形県の出身なのでわかるのですが、宇都宮は東北新幹線が通っており帰省の途中で立ち寄れます。縁もゆかりもないわけではなく、故郷にも東京にも近い、利便性の高い街なのです。
宇都宮なら在来線を使っても日帰りで東京に行くことができます。職場がテレワーク可能なら、転職せず今の仕事を続けながら移住することができるでしょう。これは余談ですが、雪国出身の筆者からすると、雪かきが必要なほどの降雪がない街であることも重要な点だと思っています。
移住婚支援企画は、静岡や北関東といった、東京から100km圏内の場所だと女性参加者が集まりやすいといいます。地元にいては理想の未来が思い描けないと故郷を出てきたものの、東京での生活も疲れたという女性にとって、物理的にも心理的にも手頃な距離感なのではないでしょうか。
とはいえ、ここでカップルになっても、即恋人同士というわけではなく、まだ連絡先を交換しただけの関係性。恋愛関係に発展するまでには何度かデートを重ねなければなりません。
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