大量閉店へ「ライトオン」子会社化が意味すること 最盛期516店舗が現在340店舗、これがさらに減る

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まず、商品開発の迅速化と柔軟性が必要だ。ワールド傘下に入ることで、MD(マーチャンダイジング)ノウハウの活用は、ライトオンの商品開発において大きな強みとなるはずだ。

これにより、ファッション市場のトレンドを迅速に反映し、競合他社に負けない商品を提供できる可能性が高まる。

大事なのは消費者のニーズを満たすことができるか

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さらに融合により生まれるプライベートブランドや限定商品などは、価格競争に巻き込まれるのではなく、品質やデザイン、ブランドストーリーといった付加価値を持たせることで、消費者にとっての魅力が高まる。

また、ライトオンは店舗網を生かした新しい顧客体験の提供も可能だ。ワールドとの連携で、デジタルマーケティングや顧客管理システムの強化が進められると、顧客の購買行動データを基にした個別の提案や、パーソナライズされた商品展開が実現する。

これにより、既存の顧客を維持するだけでなく、新たな層の顧客獲得にもつながる。

ライトオンが再建に向けて魅力的な商品開発を行うには、消費者との接点を増やし、彼らのニーズに迅速かつ的確に応える仕組みが不可欠だ。ファッション市場は常に変動しており、トレンドの移り変わりも速い。ワールドグループの支援を受けることで、商品開発のスピードアップやコスト削減のシナジー効果が期待でき、これが業績回復への道筋となるだろう。

ライトオンの社名は、英語で「まったく正しい」「本当に信頼できる」「進歩的な」という意味があるという。その意味で、ワールドとの連携が「まったく正し」かったね、といわれるよう祈念したい。

そうそう、私が若い頃はライトオンに「最新流行の」イメージもあった。スラングでは、Right-onにその意味もあるらしい。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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