エヌビディアの株価はこれから本当に上がるのか 長期のテクニカル分析で今後の値動きがわかる

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エヌビディアの株価の位置は、9月末時点で、長期トレンドを見る月足については、詳細に説明したとおり「①上昇トレンド」である。

だが、実は、中期トレンドを見る週足は「⑥ピークアウト(13週MA>株価>26週MA)」から「①上昇トレンド(株価>13週MA>26週MA)」に変化してきたものの、下値が切り上がるいっぽう、上値が切り下がる形状になっており、現状の中期トレンドは6月までの上昇トレンドと比較して、不安定な状況になっている。

再度48カ月MA付近まで調整も?

今回はエヌビディアを例にとって、株価とMAの位置関係を中心に解説したが、実は「MAの傾き」も株価トレンドの方向性を示す点で非常に重要だ。

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再度同社のMAを確認すると、12カ月・24カ月の両MAは、現状株価と応当日株価の関係から当面右上がりが継続すると見られるが、26週MAの右上がりの傾きは減速感が顕著になっている。

同MAの傾きは応当日の関係から見て右下がりに転換するタイミングが接近していることから、今後再び13週MAを割り込んでくれば、26週MAの株価サポート効果が時間切れとなり、その後の攻防線の舞台は12カ月MA付近に移行することが想定される。

これは相当の先の話になるかもしれないが、図を見るとわかるように、今回検証した3回の長期トレンドの前半2回については、12カ月・24カ月の両MAのDC形成後の最終サポートラインが48カ月MAであったことも付け加えておく。

エヌビディアは成長性の高い企業であり、将来的に高値を更新してくる可能性はもちろん残っている。だが、テクニカル分析で見ると、現状は中期トレンドには傷がついている格好だ。

今後、株価が回復できなければ、攻防戦の舞台が週足から月足で見た長期トレンドに移行することから、当面は戻り売りスタンスで対処し、12カ月MA付近まで調整を待って参戦したい。

その後は、過去の例がそのまま当てはまるとは限らないものの、逆張りなら48カ月MA接近局面での押し目買い、順張りなら前述のとおり将来の12カ月・24カ月MAのデッドクロスを形成後に、再び12カ月MAを上回る局面を気長に待ちたいものである。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

野坂 晃一 日本テクニカルアナリスト協会理事

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Kouichi Nosaka

964年生まれ。函館ラ・サール高校卒、日本大学工学部機械工学科卒。 レーシングマシン等を手掛ける株式会社無限を経て、1989年に証券界入り、企業調査、投資情報、ディーリング業務に携わる。2010年9月に証券ジャパンに入社。 日本テクニカルアナリスト協会理事、国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)。

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