実は金欠「オープンAI」の知られざる経営内容 売り上げ増ばかり注目されるが肝心の収支は…

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財務書類によると、オープンAIの8月の売上高は前年比で3倍超に増加。同社サービスの月間利用者数は6月時点で約3億5000万人と、今年3月から約1億人増えた。

その大部分は、2022年11月にリリースされたチャットGPTの継続的な人気によるものだ。書類によると、アカウントの作成やログインなしでサービスを利用できるようになってから、チャットGPTの利用者数が急増した。

オープンAIは、チャットGPTの売上高が今年は2023年の7億ドルから27億ドルに増加し、同技術を用いた別のビジネスから10億ドルがもたらされると見込んでいる。

書類によると、およそ1000万人のチャットGPTユーザーが同社に月額20ドルの料金を支払っており、オープンAIは年末までにその価格を2ドル引き上げ、今後5年間で44ドルへと大きく引き上げる予定だという。100万を超すサードパーティ開発者が、オープンAIのテクノロジーを使って独自のサービスを展開している。

オープンAIは2029年に売上高が1000億ドルに達すると予想。これはネスレやターゲットの現在の年間売上高にほぼ匹敵する。

最大のコストはマイクロソフトのクラウド

過去数十年で話題になったほかのテック系スタートアップ企業と同じく、オープンAIもコストの制御に苦しんでいる。

オープンAIの最大のコストは、同社の主要投資家でもあるマイクロソフトとの提携を通じて得ているコンピューティング能力だ。マイクロソフトはオープンAIに130億ドルを超える資金を注ぎ込んできたが、オープンAIはその資金の多くを、オープンAIのプロダクトをホスティングするマイクロソフトのクラウドコンピューティングシステムに費やしている。

オープンAIは、新しい資金調達ラウンドを主導するスライブ・キャピタルに加えて、マイクロソフト、アップル、エヌビディア、タイガー・グローバルのほか、アラブ首長国連邦(UAE)が支配するテクノロジー投資会社MGXとも協議を進めていると3人の関係者が明らかにした。

オープンAIは投資家に対して異例の投資構造を提供している。ある消息筋によると、スライブ・キャピタルはオープンAIの最新の資金調達ラウンドに7億5000万ドルを投資。自己資金の投入に加えて、特別目的事業体(SPV)と呼ばれる金融スキームを使って、ほかの投資家からさらに4億5000万ドルを集める予定だという。

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