実は金欠「オープンAI」の知られざる経営内容 売り上げ増ばかり注目されるが肝心の収支は…

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OpenAIのサム・アルトマンCEO(写真:Chona Kasinger/The New York Times)

チャットGPTを運営するサンフランシスコのスタートアップ企業オープンAIは、自社のチャットボットで数十億ドルの売上高を上げており、今後数年間で売上高はさらに大きく増える見込みだと投資家たちに語っている。だが、損失額については明確にしていない。

ニューヨーク・タイムズが閲覧した財務書類によると、オープンAIの月次売上高は8月に3億ドルに達し、2023年初頭から1700%増加。同社は今年の年間売上高を約37億ドルと見込み、来年は116億ドルに膨らむと予想している。

売上高を上回る巨額損失

しかし、ニューヨーク・タイムズと同じく財務書類を閲覧した金融専門家の分析によると、オープンAIのサービス運営に関連する費用と従業員給与やオフィス賃料などの経費を差し引くと、今年はおよそ50億ドルの損失が見込まれるという。

オープンAIは全体として70億ドルの資金調達を目指す今回の投資ラウンドで、潜在的な投資家に向けてこの財務書類を配布した。その前提となる企業価値の評価額は未上場テック企業として過去最高の1500億ドルとなる可能性がある。その肝心なタイミングでオープンAIは、急速な成長を遂げる反面、ここ数カ月間に何人かの重要な幹部と研究者を失った。

この財務書類は、オープンAIの経営状態と同社が投資家に自社をどのように見せようとしているかを詳しく知ることのできる初めての資料だが、どれだけの損失を出しているかはきちんと説明されていない。

この投資家向け資料は、同社が来年も資金調達を続ける必要があることを示唆するものでもある。オープンAIの経費は、同社のプロダクトを使用する人の数に連動して増えていくためだ。

オープンAIは、書類に関するコメントの求めに応じなかった。

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