「もう1食ほしい」が自衛隊で通用しない絶対理由 ドケチぶりにもほどがある自衛隊の給食不正

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江田島(広島県)の海上自衛隊幹部候補生学校では、カレーは2回、3回のおかわりがOKだった。幹事付という指導役は、「士官なのに見苦しい」と形だけ若者を叱るが、それだけである。

ただ、現場の給養員は「俺がいいと言っている、食え」だった。幹事付も裏では笑っていた。彼も若いときは、怒られながらおかわりをしていたのだ。

夜食の天そばも2杯、3杯だった。退役寸前の練習艦「かとり」では夜食が出たが、「余ってるから2杯食ってけ」と言われていた。たぶん、最初から「候補生は腹が減ってるはず」と多めに用意していたのだろう。

遠洋航海でも隙あらば食わせにきた。当時はできたばかりの練習艦「かとり」の給養員は、ステーキやトンカツをお皿に2枚載せてきた。最後には牛肉入りの味噌汁まで出てきた。実習士官は若手の下士官兵と同じ扱いにしていた。

40~50代のケチンボ隊員

では、誰がなぜ不正喫食をするのか。40代、50代のケチンボ隊員らだ。実際に処分されている年齢も、そのあたりの隊員である。

当然だが空腹ではない。高級中級の士官か先任下士官なので現業はしない。いつも冷暖房が効いた事務室で、パソコンを叩いている。肉体労働で腹が減ることはない。

不正はだいたい単身赴任者がやる。官舎で明日の朝に食べるパンや寝る前に食べるプリンについて、帰りに買い物をせずに済ませたい、お金を払わずに入手したい。そのような理由で余計な数を持っていく。

しかも、人の迷惑も顧みない。給食列の最初に並んでいて複数持って行く。そうなると最後尾の隊員にまで足りなくなることが起きる。だから処分の対象になるのだ。

第3は、常習犯だからである。ドケチは図々しいので何度も繰り返す。だから隊員は同情しない。

果たして、1度や2度の無銭飲食で自衛隊は人事処分をするものだろうか。人生で1度、1人に1つの水羊羹を2つ取ったからと、身内を処分するものだろうか。

さすがに、そのようなことはない。そんな隊員はもはや常態化しているから、注意しても聞かない。だから処分となるのだ。

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