「もう1食ほしい」が自衛隊で通用しない絶対理由 ドケチぶりにもほどがある自衛隊の給食不正

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なお、本人が無銭飲食なのはみんな知っている。各部隊は有料給食者を把握している。申請の事務も兵隊や下士官の持ち回りでやっている。「有料給食を申請していないのに、いつも食堂に入っていく」と部隊の間でうわさになるものなのだ。

ただ、自衛隊はそんな隊員を見逃してきた。確実に証明できる被害額は3000円や5000円にしかならない無銭飲食者でも懲戒処分するのはたいへんである。証拠集めや処分の手続き、損害賠償の手間がかかるから放置してきたのだ。

それについて、本来の規則通りに処分するようにしただけだ。処分される理由がある隊員が処分されているにすぎない。だから、隊員は驚かないし同情もしないのである。

あまりにも見苦しい「ドケチ」さ

第2に、食数の不正はなぜドケチとなるのか。これには有料給食を申請しているが数量を守らない例や、食堂からアイスやプリンを2つも3つも持ち帰るといったケースであり、そんなことをやらかす輩はすべてケチンボ。

こちらも隊員はそれを知っている。だから処分は意外とはしないのである。

なぜ、食数の不正をするのか。若者がお腹が空いているからではない。自衛隊の給食の量が少ないということはない。もともとが高カロリーの献立である。だから、事務作業や軽作業に従事する者は標準量を取っても太る。そのうえ、主食のご飯や汁物は盛り放題だ。

そもそも、若者を見れば周囲が「おまえ、食べろ」と寄ってたかって食わせる。勝手に「本人は遠慮している」と解釈して、シャモジやオタマを奪ってでも大盛りにもする。大柄な兵隊を見れば今で言う「富士山盛り」のようにして、「うまそうに食え」という。

一人一品も例外ではない。中年隊員は、健康問題からエビフライのような揚げ物を敬遠する。そして余る。だから給養員は、若者には「2個持っていけ」という。あるいは、当の中年隊員の後ろが若者なら、知り合いでなくともトングで渡す。

士官でもそうだ。若者には食わせる。筆者も30年前にはその恩恵にあずかっていた。

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