石破氏が「大逆転勝利」した自民総裁選の舞台裏 「キングメーカー争い」岸田氏"完勝"、麻生氏"完敗"

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そうした中、石破氏は総裁就任直後から、複数の側近を中心に、岸田、菅両氏とも秘かに連絡を取り合い、29日中に党・内閣人事のほぼ全容を固めた。まず、「骨格人事」となる党運営を仕切る幹事長には森山裕総務会長(79)を起用、内閣の要となる官房長官は林芳正氏(63)を続投させることを決めた。さらに、菅氏の副総裁就任を決め、麻生氏は最高顧問として遇することにした。

この「骨格人事」について、石破氏は29日のテレビ出演などで森山氏起用については「あらゆることに通暁している」と高く評価、林氏続投には「岸田政権との連続性重視」を挙げた。一方、総務会長就任を打診されたが断ったとされる高市氏の処遇については「登用を積極的に考えたい」と述べるにとどめた。さらに、「菅副総裁」については「気心が知れており、党をまとめる知恵がある」と挙党態勢に資するとの認識を示した。

また、29日夜までに閣僚人事もほぼ固まった。これに先立つ党役員人事では、森山幹事長とタッグを組む総務会長には、鈴木俊一財務相(71)、政調会長には小野寺五典元防衛相(64)を起用、さらに重要閣僚として財務相には加藤勝信元官房長官(68)、外相には岩屋毅元防衛相(67)の起用を内定した。

衆院選「10月15日公示・27日投開票」へ

こうした新陣容も踏まえて、党内外が注視している衆院解散のタイミングとその大義名分について石破氏は、新総裁就任時には「なるべく早く、しかも国民に信を仰ぐだけの材料を示して、という中で、いろんな可能性は否定しない」と繰り返していたが、29日になって「とにかく早く国民の審判を仰ぐべきだ」との森山氏らの進言を踏まえ、30日の新4役決定のための党役員会などの場で、「10月9日に衆院を解散し、15日公示・27日投開票の日程としたい」と表明し、最速の解散総選挙日程を固めた。 

これを踏まえ、自民党は30日に野党に対し①10月4日所信表明②同7日と8日に各党代表質問③9日に党首討論実施とその後の衆院本会議で解散――という日程を伝える方針だ。ただ、野党側の猛反発も予想され、一部日程の変更など、なお流動的な部分も残っている。

そこで、改めて今回総裁選の経過と結果を振り返ると、「過去最多の9人出馬だけでなく、すべてが異例づくめというのが最大の特徴だった」(政治ジャーナリスト)ことは間違いない。

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