苦境にあった氷河期世代が互いに罵り合う悲哀 団塊の世代のように束になって発言ができない

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笑い声や話し声……。さすがは“選良”と言われる国会議員の方々、自分事として捉えている人は、まったくいらっしゃらないことがよくわかる反応です。参議院議員の平均年齢はだいたい60歳前後。なるほど、このぐらいの年齢層の方々はバブル景気の中、売り手市場で就職活動をしていらっしゃり、そのまま議員になられたわけですから氷河期世代の苦労などご存知なはずがありませんね。

あまり世代間対立を煽るのは本意ではないのですが、本当に世代の違いがそのまま経済観の違いに直結してしまって断絶が非常に深いうえに、今に至るもその苦労に耳を傾けようとしないことには怒りを通り越して呆然としてしまいます。

さらに、伊藤議員のX投稿やこれを題材にしたネットニュースに対するコメントなどを見ていると、世代間の断絶もあらわになっていて、これまた呆然とするのです。

氷河期世代の団結を阻み続けてきたもの

伊藤議員の国民民主党のホームページに上げられている経歴を見ると、「名古屋市出身、金城学院大学文学部卒、テレビ大阪、資生堂、リクルート、金城学院大学文学部日本語日本文化学科非常勤講師」となっています。

新卒でテレビ大阪に入り、記者職や営業職などを経て転職したということですが、このことを捉えて「そうはいっても就職できた奴が偉そうに言うな」「結局恵まれていた人間だろう」といった声もチラホラ見かけました。

私も、就職氷河期世代の話をラジオで取り上げると決まって「君は新卒でニッポン放送に正社員として入社しているのだから勝ち組だ」「勝ち組の上から目線だ」といった批判を受けます。

また、大学時代の同級生や上下2~3年ぐらいの同世代と話していると、中にはバブル世代と同じように「自己責任論」を振りかざす向きにも出会います。この世代、正社員の座をつかんだ人たちは、こちらはこちらで苦労に苦労を重ねてきました。

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