例えば、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙によると、9月18日にはベイルートの南郊に何千人もの人々が集まり、前日17日のポケベル攻撃で死亡したヒズボラ戦闘員2人、救急隊員1人、子ども1人の屋外葬儀に参列した。
そして、その葬式の場で、ヒズボラのメンバーが所有するトランシーバーが爆発し、煙の刺激臭にあふれ、パニックに陥って人々が大声を叫ぶなど大混乱が起きたという。
自国民に対するテロ攻撃を一貫して非難してきたイスラエルが国家によるテロ攻撃を敢行し、戦争犯罪に当たる行為を遂行しているのは極めて残念な事態で皮肉だ。
レバノンのハビブ外相は、今回の連日の通信機器爆発が全国民を恐怖に陥れたとしてイスラエルを非難した。レバノンは物理的な死傷だけでなく心理的な大ダメージを被った。
犠牲者は民間人中心だった
ただ、AP通信によると、犠牲者にはヒズボラの戦闘員も含まれているが、その多くが戦闘員ではなく、主にレバノンのシーア派コミュニティに奉仕するヒズボラの広範な民間活動のメンバーだった。
このため、今回の攻撃はヒズボラの戦闘員の人員にあまり影響を及ぼさないとみられている。その証拠に通信機器連続爆発直後から、ヒズボラはイスラエルと激しい報復合戦の応酬を繰り広げている。
ヒズボラが使用していた通信機器が爆発する壊滅的な攻撃を受け、シリア、イラク、イエメン、パレスチナなど中東全域のイラン武装グループのネットワークに恐怖の波が広がっているだろう。イスラエルが世界のサプライチェーンに侵入する能力を持っていることが明らかになったからだ。
アメリカのABCテレビは20日、イスラエルがヒズボラを標的に爆発させたポケベル製造に関与しており、この種の「サプライチェーン阻止」作戦を少なくとも15年前から計画していたと報じた。
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